戦争の傷跡が街々にまだ色濃く残る時代、銀座の夜を華やかに彩る一角があった。
ジャズが、ジルバが、熱狂の一夜をつくり出す、ここは進駐軍専用キャバレー”パラダイス オブ ギンザ”。三人の男女がここで出会う。通訳志願の学生清水誠、日経米兵ケン・ナカガワ、コーラスガールの青山優子。清水は忽ち優子の虜になるが、自らの心を隠し、ケンと優子の愛の仲立ちを買って出るのだが…。
青年座のオリジナルミュージカルが誕生。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
劇団俳優座に在籍していた10名の若手俳優たちが日本の現実を反映させた創作劇の上演を強く願い、1954年劇団青年座を創立しました。現在劇団員と研究生をあわせ約200名が所属。創作劇の他、海外現代戯曲、過去の秀作等、幅広いレパートリーを有しますが、創立からの基本理念は変わることはありません。今後も日本の創作劇上演を柱にした公演活動を続けることによって、日本演劇の民主的発展に寄与し、舞台芸術を通して日本文化の向上をはかることを目的として活動します。
青年座・セレクションvol.3
明治三十年代の大ヒット小説、徳富蘆花作『不如帰』。劇団新派によって舞台化され、瞬く間に大盛況となった。まるで昼ドラのような愛憎劇は涙を流さずにはいられない。話題は話題を呼び、ついにモデルと言われる片岡中将一家の耳にも入ってきた。怖いもの見たさも手伝って、一家で観劇する事に。舞台と片岡家の現実が混ざり合い、奇妙に一致していく。日本全国の女性が涙した悲恋物語に隠された真実とは…。モデルとなった人々の想
明治38年、日露戦争の真っ只中の九州は小倉。暴れん坊の車夫、人呼んで「無法松」は一本気な性格からいつも騒動を引き起こしている。ある日、怪我をした少年を助けたことから、吉岡家に出入りするようになった。ところが当主の吉岡大尉は戦死してしまう。一家の支柱を失った未亡人良子と息子敏雄への献身的な愛に生きがいを見つけた松五郎。やがて良子へのどうすることも出来ない気持ちと、移り行く時代の流れに翻弄され、悩み苦
明治44年秋、岡崎の女子師範学校寄宿舎には、教師を夢見る少女たちが日本各地から集まっていた。誇りと若さにあふれる学舎では、下級生の憧れ、教師達も一目を置く文武両道の光島延ぶが仲間達と生活をしていた。一人の女性との出会いで未知への扉が開かれ、好奇心と夢が膨らんでいく日々であったが、ある日校長の手によって「質実剛健」の校風が「良妻賢母」にぬりかえられてしまった。少女たちの怒りは爆発し、「ストライキ」を
夏目漱石の『坊ちゃん』が舞台になります山嵐、野だいこ、うらなり、マドンナ、狸、赤シャツお馴染みの登場人物が活躍する青春活劇しかし、『赤シャツ』には肝心の坊ちゃんは出てきません主人公はあの男の風上にも置けない嫌な奴、赤シャツなのです時は今から百年前日本海海戦で日本がロシアバルチック艦隊を撃滅した明治三十八年所は四国辺のとある城下町坊ちゃんにかわって主役の座についた赤シャツその登場の秘密とは…