敗戦の夏、気象台の人々は気象関係の一切の資料を焼かなければならなかった。アメリカの占領により軍部は解体され、気象台もその傘下から解き放たれた。しかし焼却された資料には、暗号解読の乱数表などの特務班の資料だけでなく、気象部員の苦心の結晶である調査研究の集積が含まれていた。国家の管理のもとに、気象台はその自由な気象の精神を潰されていく。日本の民主化と反動へ移り変わる嵐の時代を舞台に、二人の気象人の生き方を描く。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
1954年創立(劇団三期会1967年東京演劇アンサンブルに改名)。演出家広渡常敏を中心にベルトルト・ブレヒトの『今日の世界は演劇によって表現できるか?』を問い続け、現代演劇の創造を続けている。
1977年東京武蔵関‘ブレヒトの芝居小屋’を拠点として、日本・海外の創作、翻訳戯曲を上演。海外公演や全国演劇鑑賞会、学校の演劇鑑賞教室などで旅公演を行っている。児童演劇も創立当初から全国のおやこ劇場とともに沢山の作品をうみだしてきた。講演会、シンポジウムなどで地域との交流など活動は幅広い。
2019年本拠地を埼玉県に移し‘野火止RAUM’がはじまった。
人が蠅のようにバタバタと死んでいくアフリカを逃れてエリージオとファドゥールは希望を求めてやってっ来た。しかしここでは、自殺ビルから毎日人が降って行き、街路では銃が乱射され、高速道路では自殺者が大渋滞を引き起こし、人は人に冷淡になっていく――。ある日ふたりに目の前で赤毛の女が海に入って死ぬ。翌日、ファドゥールと盲目の踊り子アブゾルートが出会いこの世界の片隅で生きる人びとがつながりはじめる……。
『ガリレイの生涯』のなかでブレヒトは、民衆の知性・理性への熱い信頼を謳っています。しかし、理性とは真逆のものにとりつかれた民衆がナチスを支えた時代、ブレヒトはどんな思いでこの戯曲を書きあげていったのか。「真理が自分を守るのに弱すぎる場合は、攻撃に移らねばならない」とブレヒトはガリレオ・ガリレイのい語らせる。このことばがぼくらのグループを震撼させる。グループのひとりひとりに対してさまざまの衝迫力で問
ねずみのちゅうたはなまけもの。いつも寝てばかりいる。おなかがすいて買ってきたチーズをどこかに落としてしまった。どうやら猫が取ったらしい。ねこにどんな仕返しをしてやろうかと考る。床屋になってねこの大事なひげをちょん切ってやろうか、それとも海賊になってねこを海にジャボンとつけてやろうか、それともサーカスでねこに綱渡りをさせてやろうか…。ところが、そのねこがチーズをひろって返しに来てくれました。実はこの
バルコニーに佇む若い人たち、窓の外を眺めながらおしゃべりともいえない会話を交わしている。一方、PTSDの兵士と、こどもを兵士に撃ち殺された母親が対話しようとしている。更にこの世を司っている?ような、ユリズンという男が存在し、彼が笑うと世界では轟音が鳴り響き、地震が起こり、軍隊が派遣され、…3つのワールドは次第に絡まりあい、最終的に一つになっていく。ウイリアム・ブレイクの予言詩をもとに書かれた作品。