「マイ・チルドレン! マイ・アフリカ!」は一九八九年にヨハネスブルグで初演、その翌年ロンドンのナショナル・シアターに招かれ評価を得た作品です。社会との調和を尊ぶ古いタイプの理想主義者である黒人教師。絶望感の中から自由を求めて暴走する黒人の教え子。人種差別反対の尊さに目覚めた白人の女子高校生。たった三人の登場人物で、友情と愛情と信頼を無残に打ち砕く南ア社会の現実を描ききったこの作品は、アパルトヘイト体制の非人間性を強く訴えるとともに、人間どうしが友情と愛情と信頼を持つことがどれだけ美しくかつ厳しいものかを問いかけています。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
劇団創立から85年を超える老舗劇団。日本の創作劇、和物、海外戯曲と幅広く上演。
とある中華料理店の一室。不動産会社のセールスマン、リヴィーンと、同じ記者の営業責任者ウィリアムソン。彼らの会社では毎月の売上高を掲示してセールスマンたちの競争を煽っているが、かつてトップの座にあったリヴィーンはこのごろ不成績である。契約の取れそうな上客の名簿が彼には割り当てられないからだ。同じ会社のセールスマン、モスはアーロナウに会社の事務所から顧客名簿を盗み出してこいと焚き付けている。舞台は一変
時は1973 年。70年代ロックにどっぷりと浸かり、大人への階段を上っている途中の若者たちが織り成す悲喜こもごも。代議士の息子である甲野欽吾は売れないロック雑誌「エピタフ」を刊行している。盟友である宗近、小野、浅井らが編集に携わるという、いわゆる同人誌的な雑誌であった。ある日小野と浅井が「エピタフ」を辞めると言い出す。それと同時に甲野の腹違いの妹である藤尾は司法試験のために勉強中である小野に急接近
<あらすじ> 1886年(明治19年)、東京・麻布鳥居坂の白河義晃子爵邸。当主の白河義晃は急速に西洋化する日本になじめず、酒浸りの日々を送っていた。ある日、外務卿・井上馨の書生と白河家の家令雛田源右衛門の間に一悶着が起きた。雛田は時代遅れのちょん髷をからかわれたばかりか、因循姑息な白河子爵は華族の資格なしと罵倒されたのである。それを聞いた義晃は怒り心頭に発し、これまた時代遅れの討ち入りを決意。しか
修道院の経営する老人ばかりの病院の裏庭。この病院はひそかに長期療養者の総入れ替えを行って経営状態を回復しようと、院長を先頭に頭を絞っている。毎日医者と修道尼たちが「さりげない嫌がらせ」を実践しているのだが、さりげなさすぎて今度の患者にはどうにも通じないのだ。その通じない患者──なぜか将軍と呼ばれている老人が車いすで庭に現れ、庭の木の枝に作り物の「鼻」をぶら下げさせている。病院は早くこのあやしげな老