あるニュース番組の内容が次々に改変させられる異様な状況を描いた『ザ・空気』( 2017 )、 国会記者会館の屋上を舞台に、日本独自の“記者クラブ制度”に着目し、メディアと政権の癒着に迫った『ザ・空気 ver.2 誰も書いてはならぬ』( 2018 ) に続く、“空気”シリーズの第三弾。再びテレビ局を舞台にした本作は、混迷を深める社会状況や現実の政治とシンクロさせ、今の日本の“空気”をリアルに体感させ、権力によるメディア支配、報道の自己規制が機械的に再生産されていく様子を恐怖と笑いの中に描きます。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
オンデマンド配信。
1981年、大石静と永井愛の二人が設立。ともに卯年生まれであったことから、劇団名を「二兎社(にとしゃ)」に。大石が退団した1991年以降は、永井の作・演出作品をプロデュースする演劇ユニットとして活動を続けている。『パパのデモクラシー』を始め、『萩家の三姉妹』、『新・明暗』、『歌わせたい男たち』など、数多くの演劇賞を受賞。自ら考える姿勢を演劇の場から発信し、観客自身を当事者にするような、考えるエンターテインメントとしての作品を提供。
二兎社公演41
人気報道番組の放送開始まであと数時間。ある”懸念”をきっかけに、現場は対応に追われ始める。決定権を握るのは……空気?テレビ局の報道現場を通して現代の日本を覆う奇妙な”空気”の正体に迫り、観客を凍り付かせた戦慄の問題作。
日本の現代演劇ポスターデジタル化プロジェクト2023
150点の現代演劇公演のポスターをアーカイブ。公演のキービジュアルがデジタル展開され難い、1960年代から80年代を中心に、紙で現存するポスターをデジタル化。ポスターのセレクションは、1960年代以降の舞台芸術系のポスターを収集・保存、これまでも研究や数々の展覧会に協力する等、演劇公演のポスターに造詣が深い、ポスターハリス・カンパニー社代表の笹目浩之氏が担当。
永井愛の書下ろし二作目にして初演出作品。凡庸な良心だけを唯一のよりどころに生きた青年教師・黒髪の物語を通して、優しさも狂気も併せ持つ、普通の人たちの輝きを描く。
明治~大正にかけて発行された雑誌『青鞜』の編集部を舞台にした青春群像劇。平塚らいてうを中心とする「新しい女たち」の手で編集・執筆され、女性の覚醒を目指した『青鞜』は、創刊当初は世の中から歓迎され、らいてうは「スター」のような存在に。しかし、彼女たちが家父長制的な家制度に反抗し、男性と対等の権利を主張し始めると、逆風やバッシングが激しくなっていく。やがて編集部内部でも様々な軋轢が起こり─