YAMADA Un Co.
YAMADA Un Co.
本作は東京芸術劇場で映像作品を作って有料配信し、劇場公演は地方でのみ行われた。 木々や花が溢れる庭で男女が踊るロマンティックなデュオから、無機質な病室でのダンス等、「視聴者の視線を強制的に導く映像の強み」を活かしている(むろん映像にあることは基本的に舞台上でも行われている)。 山田は「2020年のオマージュ」が本作のサブテーマだといっているが、それはコロナ禍や、延期された2020年東京オリンピック・パラリンピックも含んでいるだろう。 とくにラスト、13人全員で踊られる10分間ほどの群舞は圧巻だ。ヲノサトルの音楽は次第に明るく軽く希望に満ちた音になって広がっていく。
タイトルの『コスモス』は宇宙という意味もある。ダンサー達は宇宙に広がる無数の星雲のように、大小の渦を舞台上に描きながら祝祭的な高揚をもって加速していく。地上に生きる生命のうねりをダンスがつなぎ、人類が難局に立ち向かう底力を示す作品である。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
オンデマンド配信。
山田うん ダンサー・振付家・演出家
器械体操、バレエ、舞踏を学び渡仏。2002年「Co.山田うん」設立。
日本をリードするコンテンポラリーダンスのカンパニーを率いて国内、ヨーロッパ、アメリカ、アジア、中東などで活動している他、ミュージカルやオペラ、演劇、企業PR、MV、東京五輪2020閉会式、など様々な振付や演出を手掛けている。またソロダンサー、指導者としても世界各国で活躍している。
平成26年度 第65回芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞
平成28年度 文化庁文化交流使として11カ国23都市で活動
令和2年 第37回 江口隆哉賞受賞