3度の岸田國士戯曲賞にノミネートされるなど、自身の劇言語を確立し、文学界からも注目を集める神里雄大は、ペルー共和国に生まれ神奈川で育った自身のアイデンティティに向きあいながら、政治や社会状況を取りこんだ作品を発表している。本作では、昨年10月からアルゼンチン・ブエノスアイレスに滞在している神里が、近年の各地での取材をもとに構成する独自の創作スタイルをさらに発展させた戯曲を執筆。現地で出演者を見出し、スペイン語での上演を行う。
オセアニア、小笠原、沖縄、ラテンアメリカ各国。それらの土地を自身で歩き集めたエピソードから立ち現れる「人の移動と死」とは。人間の移動や文化の融合、国家と個人の関係性などに目を向けながらドライブ感のある戯曲を創作してきた神里が、異国の地、異国の言葉に身を浸しながら掴みとる新たな地平に期待が高まる。
※以上、2017年時点の情報
※本作品で第62回岸田國士戯曲賞受賞
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
2003年、神里雄大の演出作品を上演する団体として結成。2010年から2012年にかけ、3年連続でフェスティバル/トーキョーに参加。2012年『レッドと黒の膨張する半球体』で台北アーツフェスティバル、2016年には『+51 アビアシオン, サンボルハ』でシドニーフェスティバル、クンステンフェスティバルデザール(ベルギー)、
フェスティバルドートンヌ(フランス)に招聘されるなど、海外公演も多数。