時は天明の頃。紀州、紀ノ川沿いに蘭方医を業とする華岡家。後継ぎの雲平(青洲)が京に遊学中、母の於継は近郷の名家の娘加恵を請うて青洲の嫁に迎えた。加恵は姑の於継によく仕えた。於継も嫁の加恵をかわいがり、その睦まじさは人もうらやむほどであったが、青洲が京から帰郷すと様子は一変、二人は青洲をめぐって姑と嫁の女の争いをつのらせる。一方、青洲はそんなことは知らず麻酔薬の研究に没頭する。研究も進み、麻酔薬の完成には、人体実験を残すだけとなると、於継と加恵は競って実験に身を捧げようと言いだすのだった。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
劇団創立から85年を超える老舗劇団。日本の創作劇、和物、海外戯曲と幅広く上演。
舅と嫁。そして短大へ通う娘、時折北海道から帰ってくる大学生の息子。東京の何処にでもあるたたずまいの家庭。嫁の佐和子は夫を過労死で亡くし、それに続いて姑も病死する。佐和子はこの家にとどまり舅の宗一と十数年をこの家で暮し続けてきた。佐和子は宗一の老後や子供たちのことを考え、家の建て替えを決意する。そこへ、宗一の実の娘が海外生活を終え、夫と帰国する。そして二人はこの土地に新たに家を建て、宗一と共に住むと
ある地方都市に一組の夫婦と姑の奇妙な一家が移住してきた。妻と姑は実の親子でありながら、直接顔を合わせることもできず、妻は屋根裏に隔離され訪ねてくる母親とは吊るした篭に手紙をいれて連絡をとりあっているらしい。どうやら夫のポンツァ氏が二人を遠ざけようとしているらしい。我々には当然真実を知る権利があると息巻くマダム・ムッシュたちのもとに当の姑、フロオラ婦人が釈明に現れた。意外な事実があかされたところ、入
【あらすじ】1910年(明治43年)、旧南満州・旅順の監獄に、ハルビン駅で初代韓国統監であった伊藤博文を暗殺した安重根が収監されてくる。日露戦争の戦勝国としての体面を保つため、〈無事に〉安の死刑を執行すべく派遣されるエリート外務省高官と、監獄の長である典獄、看守長、獄内の情報提供者である模範囚、皮肉な傍観者を気取る監獄医らの確執の中で、統監府から差し向けられた通訳と死刑囚・安重根との静かな対話が、
<あらすじ>夏、県営住宅の一室。前日母親の葬儀を済ませ、今日は妻に離婚届を突きつけられ捺印を迫られている男、 42歳の元郵便局員・鈴木卓也。学生時代の友人との浮気がばれ、車で人身事故を起こし、職場もクビになる始末。 心臓の悪かった母親は度重なる心労であえなく他界。そして、残されたのは、84歳になる認知症の父親ただ一人。 男は失禁した父親をトイレに連れて行ったが……。 気が付くといつの間にか深夜。