時は1973 年。70年代ロックにどっぷりと浸かり、大人への階段を上っている途中の若者たちが織り成す悲喜こもごも。代議士の息子である甲野欽吾は売れないロック雑誌「エピタフ」を刊行している。盟友である宗近、小野、浅井らが編集に携わるという、いわゆる同人誌的な雑誌であった。ある日小野と浅井が「エピタフ」を辞めると言い出す。それと同時に甲野の腹違いの妹である藤尾は司法試験のために勉強中である小野に急接近。しかし小野には郷里に小夜子という許嫁に近い女性がいるのだった。煮え切らない態度の小野に宗近が諭す。「そいつはロックじゃないぜ…」
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
劇団創立から85年を超える老舗劇団。日本の創作劇、和物、海外戯曲と幅広く上演。
創業60周年を迎えようという老舗のとんかつ屋「たきかつ」。家業には見向きもしなかった長男の琢己が、決意も新たに店を継ぐという。ついては大々的にリニューアルも行うらしい。店が変わってしまうことに一抹の不安を覚える母・幸子とベテランの料理人・金村は、将来への期待も同時に持っていた。そんな折、常連客の一人が留学生を連れて来て…。小さなとんかつ屋に起きた、ささやかだけど深い変化の物語。
昭和六十三年度文化庁芸術祭
湖の美しい松江城下、松江藩浅香市之進の妻、おさいは、年頃の娘お菊とわんぱく盛りの息子虎次郎の三人で、主人の江戸詰めの留守をしっかり守っていた。一方「鑓の権三」とうたわれるほどの武芸の達人笹野権三は誰からも愛される藩内随一の美丈夫である。この頃凶作が続き藩財政も苦しく青年武士たちにとっての出世栄達の途はすでに武芸にはなく、茶道などの遊芸にわずかなチャンスを狙うよりほかはない。権三もまた例外ではなかっ
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