白石加代子「百物語」第二十二夜
白石加代子「百物語」第二十二夜
筒井康隆「時代小説」は前からやりたかったものである。
筒井さんにその旨を申し上げると、「え!ほんとうにやるの?」といった反応だった。
つまり「読んでも、お客さんには何の事かさっぱりわからないからやめたほうがいい」とお考えだったのだ。
そして実際稽古に入って、これは鴨下信一でないと出来ないものであったと思い知らされた。
鴨下はこう語っている。
「『時代小説』、これは日本語のリズムで聞くべきものだ。
リズムは地口、語呂合わせ、俗謡、歌舞伎から講談、落語に至る芸能などの俗なる日本語のリズムで、
ある、ある、ある、とても全部解説しきれない。なにしろ筒井天才の作品だから」
いやぁ、その読み込みのすごいこと。筒井康隆のこじつけとねつ造とでっち上げの物語を、理路整然と切り分けていく。
劇場は筒井さんの危惧するような事態には陥らずに、まさに爆笑の渦だったのだが、これは鴨下&白石コンビだからの成果である。
1990年設立。主な作品に、大竹しのぶ「奇跡の人」、古田新太・生瀬勝久「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」、西城秀樹・鳳蘭・市村正親「ラヴ」、天海祐希「ピエタ」などがあげられる。(メジャーリーグHPより)
一人の男が地球という悪夢の世界に堕ちてきたその男には、教育という名の拷問が待ち受けている
輝かしい命を持った13歳が自らの手でその命を絶った。誰もがその事件の当事者である。空を飛ぶ翼を、銃弾で撃ち抜かれ、二度と飛べなくなったノガモとは、夢見る力を、現実という銃弾で粉々にされしまった人間のことである。それでも彼らは生き続ける。人間を見に来て欲しい。人間ほど面白いものはないのだから。
白石加代子「百物語」第二十四夜
一夜の公演で、一演目というのは初めての試みである。また、この作品は丁度八十話という節目でもある。胸突き八丁というけれど、まさに頂上がかすかに見え始めた八合目に、鴨下信一はこの作品を選んだ。鴨下さんから上がってきた台本を読んで、これは「百物語」の代表作の一つになるなと思った。登場人物がそれぞれいろんな思惑があり、悪党ばかりであくが強い。この人間臭い世界は白石加代子とぴったりあう。原作と細かく読み比べ
自分の愛人を絞殺しその死体から陰茎を切り取った、それがいわゆる「阿部定事件」(昭和11年)である。当時大変なセンセーショナルを巻き起こしたこの事件の「予審調書」がなぜ警察から流出したのかは未だ謎であるが、本公演では愛人とのなれそめから次第に関係を深めていき、殺しの経緯を詳しく語った部分を取り上げている。「不思議なことにエロチックな部分はほとんど印象が薄かった。それよりもなんともいえない懐かしさがあ
