白石加代子「百物語」第二十二夜
白石加代子「百物語」第二十二夜
筒井康隆「時代小説」は前からやりたかったものである。
筒井さんにその旨を申し上げると、「え!ほんとうにやるの?」といった反応だった。
つまり「読んでも、お客さんには何の事かさっぱりわからないからやめたほうがいい」とお考えだったのだ。
そして実際稽古に入って、これは鴨下信一でないと出来ないものであったと思い知らされた。
鴨下はこう語っている。
「『時代小説』、これは日本語のリズムで聞くべきものだ。
リズムは地口、語呂合わせ、俗謡、歌舞伎から講談、落語に至る芸能などの俗なる日本語のリズムで、
ある、ある、ある、とても全部解説しきれない。なにしろ筒井天才の作品だから」
いやぁ、その読み込みのすごいこと。筒井康隆のこじつけとねつ造とでっち上げの物語を、理路整然と切り分けていく。
劇場は筒井さんの危惧するような事態には陥らずに、まさに爆笑の渦だったのだが、これは鴨下&白石コンビだからの成果である。
1990年設立。主な作品に、大竹しのぶ「奇跡の人」、古田新太・生瀬勝久「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」、西城秀樹・鳳蘭・市村正親「ラヴ」、天海祐希「ピエタ」などがあげられる。(メジャーリーグHPより)
「モンテ・クリスト伯」という題材を選んだのは、かっこいい言葉がきら星のようにちりばめられているからだ。「モンテ・クリスト伯」というストーリーを再現するのではない。アレクサンドル・デュマが書いた言葉を、百何十年か前に書かれた瞬間の鮮度で再現したいのだ。おしゃれでカッコいい、スピーディーでスリリングなコンサートのような舞台として上演しようと思っている。
白石加代子「百物語」第二十四夜
一夜の公演で、一演目というのは初めての試みである。また、この作品は丁度八十話という節目でもある。胸突き八丁というけれど、まさに頂上がかすかに見え始めた八合目に、鴨下信一はこの作品を選んだ。鴨下さんから上がってきた台本を読んで、これは「百物語」の代表作の一つになるなと思った。登場人物がそれぞれいろんな思惑があり、悪党ばかりであくが強い。この人間臭い世界は白石加代子とぴったりあう。原作と細かく読み比べ
不思議な一座が幻のように現われ、幻のように去っていく。何もない空間から始まり、何もない空間で終わる。しかしその舞台は見る人に強烈な印象を残した。女優がハムレットやホレイショーを演じ、ガートルードやオフィーリアを男優が演じた。しかしそれが何の違和感も残さず、よりくっきりと「ハムレット」の世界を映し出し、より明確にドラマの構造を浮き彫りにした。お芝居好きの人に是非観てほしいと思います。観たこともない「
白石加代子「百物語」特別編
白石加代子「百物語」は1992年に始まった。そしてやっと80本に手が届くところまでやってきた。特別編は、その中から特にお客さんの支持が熱かった作品を取り上げて、構成し直したものである。今回はその二回目となる。まず、一本目は、三遊亭円朝の「江島屋騒動」「江島屋騒動」は原題が「鏡ヶ池操ノ松影」という作品で、さまざまな因果話によって構成されたかなり長い物語であるが、今回はその中の抜き読みである。時間にし
