こんにちは。杉並区に住んで20年になるペヤンヌマキです。
これまで半径10メートル以内で起きたみみっちいことを題材に演劇を作ってきましたが、なんと私の半径10メートル以内で壮絶な「道路問題」が起きていました!70年以上も前の道路計画がゾンビのように蘇った「都市計画道路」。道路ができると私が住んでいる場所は立ち退きになってしまいます。自分のことに精一杯で社会問題のことなんてこれっぽっちも考えてこなかった私ですが、自分の住まいが奪われる危機に直面して初めて、社会や政治が私たちの生活に直結していることに気づきました。
そして現在は、地域の運動に参加して「都市計画道路反対!」のハッシュタグで呟く毎日。
本当は、猫とまったりお昼寝したり、お気に入りの川沿いを散歩してバードウォッチングを楽しんだりしていたいだけだった。だけど黙ってたらこのささやかな生活が奪われてしまう。もう黙っちゃいられない。気づいてしまったのだから。
これは現在私に起きていることであり、杉並区で起きていることであり、どこでも誰にでも起こりうること。
杉並区で様々な出会いがあり、様々な「声」を聞きました。そして道路問題のど真ん中にある西荻窪の小さな劇場と出会いました。今この場所で演劇をやるべきだと直感的に思いました。だけどこの現実を物語にしてしまうのはちょっと乱暴ではないか。生の「声」の集積を俳優の体を通して音楽にするのはどうだろう。まだどんなことになるのかさっぱりわからないけれどこのキャストと向島ゆり子さんとだったらとっても面白い試みになることは間違いない。新生ブス会*がお届けする伝承スタイルの音楽劇『The VOICE』、お楽しみに!ぜひ劇場に足を運んでこの土地の「声」を感じてください。
2022年10月 ペヤンヌマキ
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
2029/1/3まで
クリエーター・役者とより風通しのよい環境での創作、さらに多岐に渡るジャンルの作品を幅広く世に送り出せる制作会社を目指し設立。小劇場運営のサポートから商業演劇の制作進行まで多方面で業務を担う。