「新宿駅ラッシュアワーのタンゴ」は70年代に制作されたヨネヤマママコの代表作。通常は無言であるパントマイムに、ウィットに富んだ歌と語りをつけた独自の形式「パンカゴ」で、駅を行き交う人々を痛烈に風刺する。
映像は1984年のマイム・ソロリサイタル『道化の小道』のもの。以下の作品が上演された。
タコを上げる子ども / 女の成長 / 象の話 / ボタン戦争 / 新宿駅ラッシュアワーのタンゴ / 空を飛ぶ男 / ピエロの玉
日本のパントマイムの第一人者。1935年山梨県生まれ。幼少より父にバレエを習い、東京教育大学在学中に江口隆哉、大野一雄に師事。処女作「雪の夜に猫を捨てる」(1954)が評判となり、NHKテレビ「私はパック」のパック役でデビュー。60年に渡米し、マイムを教えながら基礎メソッドを研究した。72年に帰国、「ママコ・ザ・マイムスタジオ」を設立。パントマイムに歌や語りを織り込んだ独自の形式「パンカゴ(パン歌語)」を確立した。「禅とマイム~十牛」「二人綱引き」など様々なテイストの作品を発表し続けながら、数多くの後進を育てる。92年、蘆原英了賞を受賞。2023年9月、永眠。