透徹した眼で時代を凝視し続けた別役実が、謡曲「隅田川」に想を得て描き出した現代社会への挽歌。
時は春……咲きほこる桜の下に、住まう者と流れる者が交錯する。
1975年、現代演劇協会付属劇団「雲」から故・芥川比呂志を中心に独立。現在に至る。演劇集団円は、演劇をこよなく愛する人々の集まりで、それぞれの立場で個人の能力を向上させ、より充実した舞台創りを目指しています。
1900年に書かれた「チェーホフ四大戯曲」のひとつ。モスクワに戻ることを夢みて田舎暮らしをしている三人の姉妹。恋愛、裏切り、決闘における殺人、家庭の崩壊……そして三人姉妹の胸に去来するものとは。
1980年代という大きな時代的変化を何とか生きようとする中年世代の生の感覚――それと新劇の老劇作家とキャリアを持った女優たちの現在を重ねてみるというプランのもと太田省吾が書き下ろした1990年の『木を揺らす』。出演していた俳優たちが、何年か毎にくりかえし演り続けたいという提案が実現した作品。しかし4年の歳月はかなりの変化をもたらす年月であったため、書きかえを重ね『木を揺らす-2』となった。
円・こどもステージ
ヤーノシュの絵本「おばけリンゴ」に、作者の谷川俊太郎がイメージを膨らませて戯曲化した作品。生演奏の楽士などと共に観客と舞台との一体感ある楽しい劇空間が創造される。
こじきや老紳士、魔法使い、市長、泥棒、白雪姫と称する少女らの前に突然現れた巨大な卵。大きな卵は回ったり光ったりしながら、中に本当の白雪姫がいるのではないかという夢を与える。本当の優しさとは何かを問いかけ、大人にとってはチクンと痛みを覚えさせるような作品。