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わずか一週間で草案を作成したGHQ民政局員たちがいた。ジャズの名曲にのせて描く日本国憲法誕生の舞台裏。1946年2月4日、東京日比谷のGHQ(連合軍総司令部)の一室に集められた25名の民政局員は、22歳のベアテ・シロタをふくめ20代から50代の多士済々。機密厳守の命令の下、直ちに立法、人権、天皇などの7つの小委員会に配属される。今、まさに日本国憲法を生み出す作業が始まろうとしていた!2015年、別
紡げども、紡げども・・・・舞台は諏訪のある製糸会社、労働争議があちこちで起こり始めていた頃。うねるような時代の波に押し流されるように動き出す、跡取り息子と女工の親子二代にわたる愛の物語。数奇な糸車に絡め捕られた愛おしいものたちへの挽歌です。
8月15日、長崎平和公園の午後 人ひとり通らない砂利の道を 太陽がやいていた40年前の夏閃光、爆音、海鳴り、そして、あの雲 あのあと 美しい色と形の雲を見た者は生きのこったそしてー真夏の昼下がり 原爆を投下したパイロット アメリカの英雄 その人が長崎に出現した 心を病む男…彼はいったい何を求め この地にやってきたのだろうか―「ザ・パイロット」はことしの夏の物語であるこの舞台で起きるすべての事件は私
どこにいるのか、袴垂れ。どこへいくのか、袴垂れ。 理想を掲げた共同体がどこから生まれ、どこへ行きつくのか…現代日本の抱える問題に鋭く切り込む!軽快で絶妙なセリフの応酬、変幻自在のムーブメントに乞うご期待!
ファイル4577、通称ナビ・スマイル。本名年齢国籍不詳、性別男性。身長175センチ、測定誤差±2。体重64キロ、測定誤差±1。職業殺し屋。19××年のある夏の日。彼のもとに謎の依頼人がやって来る。そこからこのストーリーは始まる。宗教と奇跡。そして核とSDI。与えられた時間は、ONE WEEK。
1941年にニューヨークで初演され、映画化もされたリリアン・ヘルマンの代表作を上演。アメリカ・ワシントンの邸宅を訪問した反ナチスのレジスタンスであるクルトと家族の物語。好評を得、4年にわたり巡演。
近代劇の父イプセンの代表作である「人形の家」。新時代の女性解放の問題作として、多くの論議をわかし世界各国で上演され続けてきた。本作品では、単に人形扱いされて家出するノーラという今までの舞台とちがった千田是也の新しい演出による、人間性開放のノーラのドラマをお贈りいたします。
“現代アイルランド演劇界のチェーホフ” ブライアン・フリールの名作。アイルランドの北西部、バリーベッグのはずれの村。ひっそりと暮らすマンディ姉妹はそれぞれの悩みや、緊張の中で助けあって生きている。この片田舎にも近代化の波が押しよせ、経済的な不如意に苦しみ、兄・ジャックの送還の余波でマンディ一家はだんだん崩壊していく・・・・・・。オリジナル曲にアイリッシュダンス、姉妹を取り巻く人物達との激しい言葉
南の島。波の音・・・恋人同士の歌「トバリャーマが聞こえてくる。いよいよ女座長率いる旅の一座の幕が開く。突然眠りかけていた「あの時代」が呼び覚まされる・・・「いちゃりばちょうでー」とは出会えば皆兄弟、仲良し主義の意味。島の言葉だ。「アンマー達のカチャーシー」「朝未来」「風のユンタ」など沖縄を舞台にした作品を東演のために紡いできた謝名元慶福氏。92年の「アンマー達のロックンロール」以来の新作書き下ろし
濡れ濡れべたべた この町の実在する小都市が雨にけぶる。近代とは、限りなく現代に近い過去。足元を水が流れる。調査によりますと、わが啄木研究会の温度は、全国平均より三十五%も高い。湿気の主な原因は、工藤一先生のよだれ、寝汗、つばき、たん。しかし、なんといっても最大の要因は雨。工藤一に雨が降る。石川啄木の本名も、一。はじめの一歩。啄木は七つになるまで、母方の工藤姓を名のった。しかし、こちらの工藤一、七つ
子供たちと戦場で商売するたくましい肝っ玉おっ母は、ついに戦争の本質がわからずに子供たちを失う大きな代償を支払う。20世紀最大の劇作家ブレヒトが世界の母親に訴える傑作。1966年上演の絶賛にこたえ、より素晴らしい舞台をお贈りいたします。
18世紀のフランスの修道院。貞潔・清貧・従順を神に誓い、神の花嫁となる修道女。その戒律を拒否した娘シュザンヌは、社会から、そして家族からも見捨てられ閉ざされた修道院の中で、自由を求める闘いを始める。
ゴーリキーの『どん底』は日本でも100年以上前から数多く上演され、劇団民藝では創立10周年と40周年の節目に上演しましたが、その歴史的傑作が吉永仁郎氏により戦後間もない東京を舞台にした創作劇へと大胆に生まれ変わりました。闇市を頼りに底辺でたくましく生きる人々のユーモア溢れる群像劇。劇団創立70周年記念作品。
かみ合わない言葉と触れ合わない心。愛する気持ちさえ空回りする。死ぬことよりも生きることこそが悲劇という非情な時の流れの中に、人生は平凡だけれど単純ではない・・・というチェーホフが描く真実。英国よりW.ギャスキル氏を招聘。
1969年ロンドン。若き実業家マードックが敏腕編集者のラリーを右腕に、落ち目の新聞「ザ・サン」を買収し、権威的で腐敗した新聞業界を打破すべく立ち上がる。野望の船に乗る人材集めにはじまり、既成勢力の圧力との闘いを経て、発行部数を増やしていく「ザ・サン」。そこには通俗に過ぎるという批判もあった。ある時、仲間の妻が誘拐され……。英国新聞界の史実と、鬼才ジェイムズ・グレアムの想像を輪転機に回したスピーディ
ねずみのちゅうたはなまけもの。いつも寝てばかりいる。おなかがすいて買ってきたチーズをどこかに落としてしまった。どうやら猫が取ったらしい。ねこにどんな仕返しをしてやろうかと考る。床屋になってねこの大事なひげをちょん切ってやろうか、それとも海賊になってねこを海にジャボンとつけてやろうか、それともサーカスでねこに綱渡りをさせてやろうか…。ところが、そのねこがチーズをひろって返しに来てくれました。実はこの
劇団青年座創立四拾周年記念公演:1
平将門をめぐる権謀術数に明け暮れた男達の汗と血潮と、そこにからみつく女達の激情に翻弄された人々の愛のものがたり。京都に壮大な平安文化を繰り展げてきた公家社会にしのびよる新しい勢力、武力をもってその存在を中央に認識されようとする時代に将門は生きた。いつの時代にも大きな転換期に登場する英雄にまつわるものがたりは哀しい。しかし、人々は、地にへばりついて生きながら、彼等のものがたりを語り継いできた。それは
かつて東京には幻と消えたオリンピックがあった・・・舞台はアジアで初めてオリンピックが開かれると決まった東京、沸き上がる興奮が一段落落ち着いた頃。選手として将来を嘱望されながら、酒が原因で居場所をなくした男。ケガに泣き、オリンピックを諦めようとする男。信義のためにオリンピック開催そのものを諦める男。そして彼らを取り巻く女たち・・・オリンピックを縁として男と女が引き寄せられていく。それぞれがオリンピッ
「ハインリヒ、お兄ちゃんが連れていってあげるよ。ハインリヒが大きくなったら、あんちゃんと一緒に月に行こう、ね。」幼い日の弟との約束―。やがて大学へ進んだ彼は師・メストリンと出会う。「科学技術の発達が地球を狭くする。国境をなくすために助け合える時代がもうすぐやってくる。そのための天文学が必要なんだ!」ヨハネス・ケプラーは決意する。あこがれの宇宙の真実を知るために、愛する家族を守るために…。1999年
1911年、日本初の女性文芸誌「青鞜」が創刊。これに刺激を受けた伊藤野枝は、平塚らいてうを慕って九州から上京してくる。青鞜社で働くことになった野枝は、女学校時代の教師・辻潤と結婚、子供をもうけるが、しだいに無政府主義者・大杉栄に惹かれていくのだった――。近代国家への道を歩き始めた日本で、女性の解放を求めた新しい女たちと社会変革を目指す男たちが実名で登場し、男と女の関係から様々な女性の生き方を描き出
爆笑と感動で贈る!シェークスピア不朽の名作!ルネッサンス期のベニスを舞台にした、青年達の愛と友情の謳歌。あくまでも原作に忠実でありながら、感動と笑いを織り交ぜ、現代の若者に十分楽しめるように配慮されています。冒頭に作者や作品についてのわかりやすい解説が付く楽しい作品です。
1945年6月30日。秋田県の花岡(現大館市花岡)で、強制連行された中国人850人が、鹿島組の残酷な強制労働・虐待に耐えかねて抵抗蜂起するが鎮圧虐殺される事件がおこった。舞台は30年後の1975年、高校教師庄司は生徒たちに語り始める、30年前に何が起こったのかを。
陸の孤島と化した別荘で次々と起こる出来事・・・アメリカ民謡「いとしのクレメンタイン」の不思議な歌詞に秘められた謎。「クレメンタイン」とは一体誰なのか。美しい別荘に集まった人々のそれぞれの思惑が交錯し、遂には事件が起きる!
頂上まで登りかけた男の転落から13年家族の心はすれ違っていたそして決定的な一夜が訪れる・・・
会社は倒産し、工場は停止、町には失業者が溢れ破綻寸前のギュレンという町に、巨額の富を持ち世界一の億万長者となったとなった女性クレーレが帰郷する。市を代表する市長らを筆頭に、貧窮したギュレンの人々は、クレーレからの多大な寄付金を目当てに歓迎セレモニーを行う。そこにはクレーレの青春時代に付き合っていたイルも参加する。対するクレーレは、昔の恋人が犯した自分への裏切りを償わせるために、彼の死をもって巨額の
北欧の夏。淡い緑のまぶしい自然の中で、白い夢のようにたゆたう愛と死と、罪と悔恨、そしてその果てに曙の光のように仄見える赦しの影…フィヨルドの暗い水底の静寂のうちに水死したエイヨルフの亡骸の、仰向けのまま大きく見開いた二つの瞳がそのすべてを見つめている――おそらくは、われわれの心の奥の闇の底まで。
第二次世界大戦末期、ソ連はドイツから2万人を超える科学者とその家族を連れ去り、ナチスの進んだ技術を吸収して秘密裏にロケット開発を進めた。果たして1957年、ソ連は初の人工衛星の打ち上げに成功、米ソによる宇宙開発競争が幕を開けた。61年には有人宇宙飛行を成功させるなどソ連がアメリカをリードしていたが、62年のキューバ危機により状況が一変する。米ソの冷戦構造を背景に、宇宙開発にかける科学者たちの夢と挫
劇団青年座創立50周年記念公演 第1弾
島村抱月、松井須磨子らが活躍する芸術座を退座した澤田正二郎は大正6年新国劇を旗揚げする。新国劇頭取(楽屋の世話係)の市川段平は元は歌舞伎の殺陣師、澤田の為に役に立ちたいと願うが、リアルな立ち廻りの確立を目指す澤田は型にはまった段平の殺陣を受け入れようとしない。ある出来事をきっかけに、ようやく活躍の場を与えられた段平が殺陣をつけた「国定忠治」は大阪で大ヒット、新国劇は念願の東京へ進出することになる。
1945年6月30日。秋田県の花岡(現大館市花岡)で、強制連行された中国人850人が、鹿島組の残酷な強制労働・虐待に耐えかねて抵抗蜂起するが鎮圧虐殺される事件がおこった。舞台は30年後の1975年、高校教師庄司は生徒たちに語り始める、30年前に何が起こったのかを。
バルニエ石鹸の社員クリスチャンは、会社の機構を見事に操って大金をつかみ、社長令嬢に求婚する。ところが彼が「社長令嬢」と思い込んだのは人違いで、本当の社長令嬢は運転手と熱い仲。しかも子供まで出来ているとあって父親のバルニエ社長は大弱り。そこへ玉の輿で男爵夫人となって家を出て行くお手伝いが、カバンを取り違えて出て行ってしまう。カバンには会社の裏金が入っていたため、バルニエ社長の困惑は絶頂に…。
時は1980年。落合勝利35才。大工をしながら建築士の資格を取ろうと定時制高校に通っている。担任の小坂麗子は29才。教育熱心だが色気も愛嬌もなく、生徒たちにも煙たがられている。そんなある日、生徒の一人が持ち込んだ週刊誌には、麗子先生が九州にいられなくなったある事件が報じられていた。さあ、教室は大騒ぎ。麗子先生にひそかに思いを寄せていた勝利は、先生を守るため番長に決闘を挑む…。
現代スペイン演劇連続上演No.1
あぶない時代とあぶない街には美しい物語が潜んでいる。この物語は80年代後半のマドリッド旧市街に生れた現代のスペイン論であり、長い牛睡から覚めた現代のウエストサイドストーリーである。
昭和の団塊世代を象徴する様な男、通称・九ちゃんは、同僚には疎まれるが何故かワンマン社長にはかわいがられている。社長は頑固一徹だが憎めない男、その妻は器量の大きな昭和の女だ。ある日、その社長が亡くなった。通夜の席、胸の内を熱く語る九ちゃんの姿を見た若い社員は、何故彼の仇名が「九ちゃん」なのかを知る。合理性と効率が求められる社会に変わりゆく中で、社長と九ちゃんと妻の間には、懐かしい昭和の人間味、友情が
日本を代表する幻想作家・泉鏡花彼の傑作であり、2019年に劇団グスタフで上演した「天守物語」と対をなす作品。シアターグスタフならではの舞台装置で山奥の苔むすような雰囲気を再現。わたなえベ佳英の脚色、演出家抱晴彦による演出、和楽器の生演奏で、新たな表現で泉鏡花の幻想世界の魅力を伝えるとともに、美しい日本語の響き、その魅力を伝えていく。【あらすじ】かつて妖怪と人間との間で交わされた約束が時を経て伝説と
遊びごころで“ひったくり”をした少年と、“ひったくり”をされたすみれさんとの不思議な出会い――。急性腹膜炎で入院した少年は老人ばかりの病院暮らしに退屈していた。学校をさぼっては見まいに来る友人と一緒に、骨折で入院中の唯一の女子高生に近づこうとするがうまくいかない。そんな少年の身辺で、ある事件が起きる...。
遠くて近い国・アイルランド。詩的で浪漫的なシングと現実的で科学的なグレゴリー夫人。現実の中の壮大さと野性的なものを描いたダイナミックさ愚鈍なほど素朴で純真さを持った土着性と骨太な人間臭さをぜひお楽しみ下さい。
美しい妻を愛することを知らずして愛しすぎた男ヴェニスの将軍であるオセロが、故なき嫉妬のため、その妻を殺し、自らを罠にかけた男や妻の罪なき召使いを殺し、最終的に自らの命を絶つ。
2011年夏。仙台市郊外にある幸田家は、大地震で半壊の指定を受け、半年を経ても殆ど手つかずの状態。昼下がりの茶の間で向き合っているのは、福永陶吾と妻の夏苗。夏苗の両親の幸田伸介と渓子、兄の伸也。卓の上には一通の書面。木々の梢を震わす蝉時雨とは対照的に、地震の傷跡も生々しい室内は沈鬱な静寂が支配する。何れの肩にも焦燥感と切迫感、そして徒労感が重く張り付いている。長い沈黙に耐えかねたように話を切り出す
青年座・セレクションvol.3
明治三十年代の大ヒット小説、徳富蘆花作『不如帰』。劇団新派によって舞台化され、瞬く間に大盛況となった。まるで昼ドラのような愛憎劇は涙を流さずにはいられない。話題は話題を呼び、ついにモデルと言われる片岡中将一家の耳にも入ってきた。怖いもの見たさも手伝って、一家で観劇する事に。舞台と片岡家の現実が混ざり合い、奇妙に一致していく。日本全国の女性が涙した悲恋物語に隠された真実とは…。モデルとなった人々の想
村山知義生誕100周年記念
1部払暁 1940年7月27日日本領事館に通過ビザを求めてユダヤ人たちが殺到。日本領事杉原千畝とその妻幸子は?2部ホームワーク 1992年セルビア人武装勢力とボスニア共和国軍が戦闘。セルビア人の村にムスリム人家族が肉親を頼って逃げてくる。
第一部 年号が明治と改まって間もなく。お高祖頭巾の少女たちは野麦峠を越えて製糸工場に働きに出た。肺を病んだみねは、兄の背に乗って飛騨へ帰っていった。第二部 大正から昭和へ。工場の労働条件はひどくなるばかり。「女は表に出るな」とされた時代、工女たちは手を取り合い立ち上がっていく。
この夏ワケあって離婚した堺トシオと、息子マサアキとの“2人だけの夏休み”がはじまった…忙しさにかまけて、かえりみることのなかった息子の存在にとまどう父。2人の関係を修復しようと努める父親の身勝手さに、反発する息子。子どもの頃、ジャングルジムから落ちてケガをして以来、夢見ることをあきらめて生きてきたトシオは、心から願う。「あのひざの皿を割った、夏休みのあの日からやり直してみたい」そして、あの夏と同じ
この劇は、不条理演劇における代表的な作品のひとつとされている。中村伸郎によるこの「授業」は渋谷ジャンジャンでロングラン上演された演目で、中村の代表作といえる。
ある地方都市に一組の夫婦と姑の奇妙な一家が移住してきた。妻と姑は実の親子でありながら、直接顔を合わせることもできず、妻は屋根裏に隔離され訪ねてくる母親とは吊るした篭に手紙をいれて連絡をとりあっているらしい。どうやら夫のポンツァ氏が二人を遠ざけようとしているらしい。我々には当然真実を知る権利があると息巻くマダム・ムッシュたちのもとに当の姑、フロオラ婦人が釈明に現れた。意外な事実があかされたところ、入
1952年、新派にて初演された『京時雨濡れ羽双鳥』は、京都鴨川に架かる木橋の下に住む謎多き女・ゆきを中心に、若い巡査や盲目の親子らが織りなす物語。(今回、俳優座としては初演)。『花子』は、娘の「花子」と養鶏している「花子」を対比する母親の思いをのどかな農村で展開する短編。1950年、俳優座創作劇研究会にて初演。ともに俳優座の座付作家であった田中千禾夫の戯曲。前者は能、後者は狂言に着想された二編を同
いつの時代だって、若者の言葉は『乱れて』いた。いつの時代だって、それを許せないオトナがいた。新旧世代の葛藤をコミカルに描きながら、現代日本の言語状況に迫る知的コメディ。「見れる」「来れる」「食べれる」……日本語の乱れの象徴としてよく話題になる『ら抜き言葉』。現代の若者の話し言葉の乱れを題材にしながら、言葉と生きる姿勢の深いかかわりに着目した傑作喜劇。
ある神父・マスターが管理するバーチャル・リアリティ(仮想世界)の中で、体や心に傷を負った人々がもう一度人生をやり直したいと思う姿を描く近未来の怖くて悲しい喜劇。7つの戒律を持つバーチャル・リアリティの世界で、人々は本当に人生をリセットできるのだろうか。
今日を限りにブンヤ稼業から足を洗い、婚約者共々ニューヨークへ旅立とうをする敏腕記者のヒルディ・ジョンソン。その彼をあの手この手で引き留めようとする編集長ウォルター・バーンズ。そんな彼らの前に選挙のことしか頭にない市長と大まぬけの保安官が引き起こした死刑囚アールの脱獄事件が発生。一癖も二癖もある記者たちのスクープ合戦で記者室は上を下への大騒ぎ。
妖精と化け物と魔法が織りなす幻想の世界!シェイクスピア最後の戯曲はファンタジックでリアルだ!平成17年度文化庁芸術団体人材育成支援事業
瀬戸内海の美しい叙情と人びとの哀歓をうたいあげる小山祐士作品。1963年初演いらいロングラン上演を重ねた名作を丹野郁弓が新演出、日色ともゑがハナ婆さんを継いでいきます。瀬戸内海の小さな島で一人質素に暮らすハナ婆さんは、貧しいながらも9人の子どもを産み、戦地と原爆で全員を亡くした哀しい過去を持っていました。そのハナ婆さんを堕胎の罪で逮捕しにやって来た木下刑事もまた、誰にも言えない苦悩を抱えていたので
1958年、長嶋茂雄が巨人軍デビューを果たし、東京タワーが竣工した。まだ米軍統治下にあった沖縄の高校が甲子園に初出場したその日、沖縄の道路から車が消えた―野球による本土完全復帰にかけたオトナ達のセイシュン―
20世紀の幕開き、ある英国貴族軍人と日本人女性の間に芽生えた愛。それは20世紀の激動の時代に翻弄され、数奇な軌跡を辿っていった……十数年前に発見された、英国軍人から日本人女性に送られた日本語による千通に及ぶ手紙をもとにNHKラジオの特別番組「日本人になりたかった男」が放送されたのは昭和62年夏。大きな反響を呼ぶ。そして、二人をめぐる家族の物語として「ピーチブロッサムへ」が出版された。1902年「憧
1917年に泉鏡花によって書かれた戯曲。白鷺の名で呼ばれる幡州姫路の城の天守閣を舞台に演じられる<異界>の美しい女性と現実世界の若者との禁じられた恋の物語ー設定を作品が書かれた大正時代に置き換えて上演。
金権政治家、棚岡格兵衛をやっつける爆笑喜劇!!「ロッキード疑獄事件」を題材に、田中金権政治の内幕を風刺するこの上演は、マスコミにも大きく取り上げられて爆発的な人気を呼び、田中角栄の地元新潟ほか各地でも上演した。飯沢匡と青年劇場の出逢いの作品。
文学座創立55周年記念
昭和のはじめ、東京下町、袋物製造販売業「近常」の細工場。職人たちが電燈の下、とりとめない会話をかわしながら夜なべをしている。奥では年季明けの職人を祝う赤飯が炊かれ、肴や白味噌の椀の仕度がされている。十年の年季奉公のあと、この日一人前の印電師(高級ななめし皮を扱う職人)の門出を迎える秀太郎。職場を変える夫に従い、今夜未知の北海道に旅立つ女中のおせん。それぞれの「かどで」
ポーランドのテレビ・ドラマをもとに、<芸術家の運命>について書き下ろした木下順二、衝撃の現代劇。1991年に滝沢修主演で初演、97年からは大滝秀治が巨匠役を演じる。
妻が町内会の温泉旅行中に心臓麻痺で突然亡くなった。康夫は、長年連れ添った妻の急死を受け入れることができず取り乱してしまう。日常生活の中に悲しみを埋めていく中、5人娘たちの思い出話から康夫が知らない妻民子の姿が浮かび上がってくる。王貞治が世界ホームラン記録を達成しようとしていた1977年夏。一枚のレコードに刻まれた夫婦の記録と記憶から、哀しくて可笑しくて、どこか懐かしい家族のドラマが展開する。
空がくっきりと青い昼下がり。この時間はバスの来ないバス停のあたりは、今日も相変わらずしんとしている。ここはめったに人の通らないところなのだ。そこへやってきた41歳のセールスマン風の男。彼は、通りかかった乳母車を押す女に、ここでバスの回数券をなくしたのだと語る。女の両親も加わって回数券の行方を追及するうち、ごみバケツから一本のドライバーが。これは頻発する自転車泥棒の道具か?あたりにはベンチと電柱柱に
敗戦直後に作られた幻の”大島憲法”に想を得た近未来劇。とある島。戦争が終わって、突然本土から独立を言い渡される。独立歓迎派と、本土あくまで一体派に分かれる中、こっそり本土に逃れようとする人々も。島長(しまちょう)は、早速憲法作成に着手する。権利をめぐって侃々諤々、喧々轟々!長い会議のそのかげで利権をめぐる企みもうごめき始める。陰謀術策の矛先は、やがて島長の家族に向けられて…。国と島と家族をめぐる近
1968年北国の夏の海辺に、突然出現した正体不明の女、煙に巻かれてしまう保養所の医師。二人が相手のことが気になりだして言葉を交わすようになったのは、しばらくたった音楽会の帰り道のことだった。二人は若くない。それが惹かれあった。普通の幸せをあまり貰っていなかった二人。ひとりぼっちだった二人。他の何百万人の男と女のように戦争で手ひどい仕打ちを受けた二人の慎ましいお話。そして、二人が別れる時がおとずれ、