鐘下辰男の「tatsuya-最愛なる者の側へ」(第42回芸術選奨文部大臣新人賞を受賞作)を流山児★事務所が1992年の新鋭劇作家シリーズとして「改訂決定版」と銘打ち新宿タイニイ・アリスで上演。
高度成長の日本で実際に起きた19歳の少年による連続射殺事件「永山則夫事件」をモチーフに全共闘世代の青春の表と裏を描く。
貧しい家庭に育ち不良グループの一員となったタツヤ(有薗芳記)が転職を繰り返しながら、米軍基地から盗んだピストルで次々と 殺人を重ねていくさまが看守役のラサール石井や兄たち(塩野谷正幸、大鷹明良、松村冬風)との鮮烈な会話を通して浮かびあがる。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
演出家・俳優の流山児祥が、小劇場の横断的活動を目的として1984年に設立。劇団でありながらプロデュース色の強い公演を行ってきた。2000年からは海外に進出し、近年は台湾の劇団と共同制作を行う等、精力的に活動を続け、国内での公演では、歌舞伎、シェイクスピア、寺山修司や唐十郎のアングラから最前線の劇作家の新作、名古屋や大阪で活躍する才能の発掘、韓国の現代演劇、ブロードウエイ・ミュージカルとジャンルを問わず、果敢に上演している。また、シニア演劇の可能性を広げる活動も続けている。
北村想が1984年に書き下ろし12月下北沢駅前劇場で初演。クリスマス・イブの夜。劇作家、歌手になることを夢見る少女と恋人の少年の三人のささやかなクリスマス・パーティー。やがて、彼らの元に天使が現れる。優しくて透明で、残酷な童話。このメルヘンファンタジーは80年代小劇場演劇のロング作品となり10年間にわたって上演。85年版は「小劇場界3大スタア競演」と銘打ち、塩野谷正幸、大高洋夫(第三舞台)、美加理
メルヘンと詩。シュールとエロチシズムと犯罪の幻想音楽劇。月よりも、もっと遠い場所・・・・それは〈劇場〉! 寺山修司十三回忌となる1995年、再演希望No.1の声に応え、演出家に生田萬をむかえて幻想音楽劇『青ひげ公の城』を上演。寺山修司が魔術的幻想音楽劇と名付けた『青ひげ公の城』はペローやグリムの童話などで知られる、次々と花嫁を娶っては殺害した青ひげ伝説がモチーフ。そこは今、まさに『青ひげ公の城』と
漫画家・美術家である、しりあがり寿が本格的に「劇作」に取り組んだ2017年の話題作。戦国天下取りの最大の合戦:桶狭間の戦いの前夜、未来のオケハザマの予知夢に悩む今川義元にスポットを当て、戦を避けつつ運命に吸い込まれてゆく、人の葛藤、歴史の皮肉を描き高い評価を得た。演出:流山児祥、音楽:坂本弘道、映像:浜嶋将弘、客演に山像かおり〈西瓜糖〉、井村タカオを迎え30人を超える大殺陣のシーン、映像とのコラボ
温泉ドラゴンのシライケイタ:演出による現代韓国傑作戯曲上演シリーズ第一弾。韓国を代表する劇作家:パク・クニョン(劇団コルモッキル)の代表作。『代代孫孫』は、ある一族の物語を、現在から日帝時代まで遡りながら描き出す韓国現代史。シライは韓日を入れ替え、日本は朝鮮の植民地、自衛隊は、べトナム戦争に参戦するという、「あり得たかもしれない歴史=想像力の物語」として、再構築し『代代孫孫2016』を創り上げ、物