〈遊行の景色〉においては、<移動>を主題に、演劇を固定した場所性から解放し、より多義的な関係の渦のなかに投げ出してみることが試みられた。檜枝岐、および利賀の野外を観客とともに移動しつつ、身体、映像、オブジェ、マシン音楽が多層的に交錯するなか、〈移動〉の理由を、「風景」に定住する私たちの〈狭生感〉を、逆説的に追求する上演となった。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
1985年劇団結成。野外を移動しながら上演する実験劇『遊行の景色』を発表。利賀フェスティバル(89年、95年)に招聘される等、国内各地を巡演する。1995年 『TOKYO GHETTO』を発表。「人間身体とそれを攻囲する暴力」というアクチュアルな主題と、舞踏の哲学を基盤にした独特の身体表現によって構成されたこの作品は、国際的にも高い評価を得て、以後世界各地の著名なフェスティバルで招聘・上演される。2004年「グローバリゼーションの身体」をテーマにした国際共同制作『Dream Regime Project』を開始。以後アジア・ヨーロッパ・南米10か国をツアーする。一方で最初期より常に自前の劇場を拠点に据えながら、演劇における「身体と言葉」の原理的探求を継続してきたが、2023年には東京八王子に「八王子ドック」を建設、ここを新たな拠点として活動を展開してゆく。