80年代から作りためた小品をゴツゴツと並べたものを「ダンス☆ショー」と呼んできた。懐かしきリーダース・ダイジェストの通販で購入されたレコードを発見したことからまずは始まる。昭和の音楽が明るく単純な編曲で嬉々と演奏されていた。わたしは捻って捻り過ぎる癖があるので単純で明るい疑いのなさに圧倒される。単純で一本槍なダンス。凝らずにお遊戯のような動きで組み立てた小品の粒。初演新たな小品も織り混ぜてゴツゴツと並べたものを「ダンス☆ショー」と呼んでいる。つまり「ダンス☆ショー」はこの20年間に発生した小品の束を指しています。
黒沢美香
(2007年「ダンス☆ショー」@こまばアゴラ劇場 当日パンフレットより抜粋)
ーーー
(公演パンフレットより)
2016年12月1日に黒沢美香が他界して1年がすぎました。
今回3つのダンス公演と上映会、新聞製作による追悼企画を進めるにあたり、本当に多くの方々にご尽力いただいたことを心より感謝申し上げます。
黒沢美香&ダンサーズは30年以上の歴史を持ち、「ダンス☆ショー」はその初期からの小品の数々をまとめた代表作のひとつです。今回、黒沢は不在ですが、出演していないメンバーも含め様々な時代のダンサーズが参加し、上演が実現しました。幾重にも時間が積み重なったこの貴重な「ダンス☆ショー」をお楽しみいただければ幸いです。
皆様とともに、黒沢美香の創出したものに改めて想いを馳せる/新たに知る機会になればと願っております。
本日はご来場まことにありがとうございます。
黒沢美香&ダンサーズ「美香さんありがとう」実行委員会
1985年立ち上げ。主にstudio 200で<四人娘>が活躍したことがグループ活動のきっかけとなる。 以後90年~02年は即興を軸としたシリーズ公演「偶然の果実」を44回継続。 ここに於いては誰それをダンサーズと指すのではなく踊る身体を<ダンサーズ>と呼ぶ。 従って一人でも大勢でもダンサーズであった。 現在ダンサーズと呼ばれている野獣牧歌集団彼らはその年齢差が40才も離れているだけに 判断も速度もバラバラの不協和音群舞が魅力。 主な作品・シリーズは「ミニマルダンス計画」「ダンス☆ショー」「jazzz-dance (ジャズズ-ダンス)」「接吻」など。
思いっきり 潔く すべてを取り払った空間でMIKAのBODY+感性だけによる素描。インプロヴィゼーションの跳躍の間で今現れるミカ・トポロジカル・ダンス・ワールド。
「ダンス☆ショー」― きみの踊りはダンスにしては重すぎる ―今日一日をどう生きるか考えている背中ここは生活の場だから劇場のようにダンスは保護されない清潔や憩いや団らんのために人はここに来るわたしたちが公衆浴場の広間で踊れば焼き魚やおでんやうどんと並んで金額を比べられる志しはダンスしていく馬力と生活力を務めとする
まだディスコと呼んでいた頃、新宿の<クロスポイント>という店が初演。それ迄ストイックに踊っていたが勢いづけに弘田三枝子化粧をお手本に顔を作り出鱈目に好きな音楽を並べてみた。単純に発熱する身体なんて、それを<ダンス>と言えるのか?という自分の疑問に自分で抵抗する。後に黑沢特有の投げ出し放って晒す身体を得るきっかけとなる。