『リビング』とは単純に「生きている」という意味です。「あるがままの」「現代の」「生活」という意味もあります。日本語だと「リビングルーム」の略語としても使う、かなり意味の広い言葉です。実現したいのは、私たち人間のちっぽけで不合理な存在のしかたを俯瞰できるような舞台です。《ハイパー・コラージュ》手法を駆使して今までにも増した新鮮な空間に出会いたいと考えています。(安田雅弘)
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
1984年、早稲田大学演劇研究会を母体に「劇団 山の手事情社」を結成。以来、一貫して実験的な舞台を通して現代演劇のあるべき姿を模索している。1997年からは、戯曲を用いつつリアリズムをどう乗り越えるかという課題に取り組み、《四畳半》と呼ばれる新たな様式的演技スタイルを確立し、ギリシア悲劇やシェイクスピア、近松門左衛門など古今東西のテキストを上演。代表作は『タイタス・アンドロニカス』『道成寺』『テンペスト』など。
『池上show劇場【DELUXE】』Bプログラム
コロナ禍の創作活動の中から生まれた「一人芝居」のラインナップ。劇団アトリエを劇場にしつらえて行なった本公演『池上show劇場 』【DELUXE】と【PREMIUM】。一人芝居16本のうち、Bプログラムでは3作品を上演。原作と身体一つで格闘する俳優たちのバリエーションが見どころ。上演作品は、『カチカチ山』(原作:太宰 治)、『藪の中』(原作:芥川龍之介)、『名人伝』(原作:中島 敦)。
日本の現代演劇ポスターデジタル化プロジェクト2023
150点の現代演劇公演のポスターをアーカイブ。公演のキービジュアルがデジタル展開され難い、1960年代から80年代を中心に、紙で現存するポスターをデジタル化。ポスターのセレクションは、1960年代以降の舞台芸術系のポスターを収集・保存、これまでも研究や数々の展覧会に協力する等、演劇公演のポスターに造詣が深い、ポスターハリス・カンパニー社代表の笹目浩之氏が担当。
世は南北朝時代、足利尊氏と新田義貞が天下をあらそう戦乱の時代。新田の家臣・塩谷判官[えんやはんがん]高貞は足利軍にやぶれ、降伏した・足利がうばった新田の財宝を返してもらうかわりに、塩谷は新田の愛人・勾当内侍[こうとうのないし]をさしだす。天下の美女を手に入れた尊氏の弟・直義[ただよし]は塩谷に心をゆるし、むほんのたくらみをあかして仲間にひきいれる。一方足利の重鎮・高師直[こうのもろのお]は、直義の
『デカメロン』は14世紀のペストの流行拡大を背景に書かれた。では現代、コロナの騒擾を抜けだしたら私たちは何を語りあうのか。舞台は避難所。疫病、戦争、災害――人々が何から逃れているのかははっきりしない。舞台上では『人類への提言』という鼎談がおこなわれている。そこに突然闖入してくる『デカメロン』の中の物語、あるいは脈絡のない言葉の朗読。場面と場面の行間から私たちを取り囲む「悪夢」が見えて来る。