世田谷区に住む60歳を超えた4名の重度脳性麻痺の方へのインタビューから創作した作品。「できない身体は劣っているわけではない、あるがままの身体を受け入れよう」と社会に訴え、周りの人の力を借りながら「自立生活」(施設を出て暮らすこと)を獲得してきた障害当事者が、老いによって、今まで以上に身体が動かなくなり、自分たちの身体をうけいれ難く思った時……。葛藤や恐れを持ちながらも、自分の気持ちに向き合う障害当事者の声に、俳優たちは何を思ったのか。観ている人々にも問いが投げかけられます。
世田谷パブリックシアターは、現代演劇と舞踊を中心とする専門的な作品創造・上演活動と、市民の自由な創作や参加体験活動を通し、新しい舞台芸術の可能性を探る劇場です。東京・三軒茶屋駅前のランドマーク、キャロットタワーの中にあり、主劇場・世田谷パブリックシアターと小劇場・シアタートラムの2つの劇場のほか、稽古場や作業場、音響スタジオなど「舞台作品創造」のためのさまざまなスペースが用意されています。
英国の劇団コンプリシテの芸術監督・演出家・俳優であるサイモン・マクバーニーの脚色・演出作品。日本人俳優と98年から6年間にわたってロンドンと東京で行ったワークショップを基に作品化した。最終的に、村上春樹短編集(「象の消滅」英語版)所収の「象の消滅」「パン屋再襲撃」「眠り」の3つの短編小説を触媒に、舞台上での同時収録の映像を駆使した新しい感覚の作品となている。2004年の再演の際は、東京、ロンドン、
世田谷区下馬地区にお住まいの方たちの生活を支える仕事をされている/いた方に、「支援すること、支えること」をテーマにインタビューから創作するシリーズ。3作目となる本作は、知的障害の方の支援をされてきた長見亮太さんのお話です。下馬地区の住民に向けたお祭りで初演しました、シアタートラムでの上演に合わせて創作しなおしたのが本作品です。仕事を始めた経緯、支援しながら考えてきたこと、家族のこと。人が人を支える
吉野の里に住む盲目の夫は、川上の地蔵に参籠した甲斐があって目が開くが、地蔵のお告げには「連れ添う妻は悪縁ゆえに離別せよ」という条件があった…。人間と運命の対峙を鮮やかに描く、狂言の異色の名作。四十分弱の作品ながら、長編の演劇に匹敵するほどの緊密間に満ちたドラマ性があり、かつて日本の戯曲ベスト3に挙げられたこともある。狂言界の至宝・野村万作の叙情に満ちた演技が堪能できる。
地域の物語2023
『地域の物語』は、世田谷パブリックシアターによる、ワークショップを通じて参加者たちが演劇づくりに取り組むプロジェクト。今回は「看取り」をテーマに、「えんげきコース」「からだコース」の2つを設定しました。「からだコース」では、互いに看取りの体験を話し、共有しあうことと共に、毎回、体をつかうエクササイズを行い、自分のからだの反応に丁寧に向き合うことを目指しました。看取りに関する思いや、気づきをテキスト