怠け者の太郎が妻へのあてつけに腹を切って死のうとする、その一部始終をシテの太郎が独演。妻も仲裁人も見ていないところで一人、何度も腹を切り損なう太郎。まるでベケットの戯曲を思わせる無目的な行為の繰り返しが、人間の愚かしさを際立たせる。古典狂言としては特異な、不条理を感じさせる作品。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
世田谷パブリックシアターは、現代演劇と舞踊を中心とする専門的な作品創造・上演活動と、市民の自由な創作や参加体験活動を通し、新しい舞台芸術の可能性を探る劇場です。東京・三軒茶屋駅前のランドマーク、キャロットタワーの中にあり、主劇場・世田谷パブリックシアターと小劇場・シアタートラムの2つの劇場のほか、稽古場や作業場、音響スタジオなど「舞台作品創造」のためのさまざまなスペースが用意されています。
「ともにゃの部屋」は、世田谷パブリックシアターが、区内在住の障害当事者の方へのインタビューから立ち上げた演劇シリーズです。もともとは下馬地区の住民に向けた屋外のお祭りで上演していましたが、シアタートラムでの上演に合わせて創作しなおしたのが本作品です。黒田真史さんは18歳での交通事故で脳が飛び出るほどの損傷を負いました。動かせるのは、たった一本の親指という絶望の淵から、今の生活を獲得するまでの人生を
現代サーカス界の次世代を担う若きサーカスアーティストたちによる日仏コラボレーション。2021年10月、世田谷パブリックシアターで実施された初演の舞台裏に迫る。カンパニー・ルーブリエの代表作として世界中で上演されている『5es Hurlants』をベースに、同演出家であるラファエル・ボワテルと彼女によって選出された日本のサーカスアーティストたちが、ダンス、エアリアル、ジャグリング、綱渡りなどのテクニ
物語の舞台は絶海の孤島。飲むと永遠の命を得ることができるという“不老長寿の泉”を巡り、その泉の守り役の鷹姫、何十年もの間、泉から湧く水を待ち続ける老人、そして、新たに水を求めに来た若き王子・空賦麟(くうふりん)、それぞれの水を求める苦悩を嘆き謡う…。今から100年以上も前、ノーベル文学賞を受賞したアイルランドの詩人ウィリアム・バトラー・イェイツは能の世界に影響を受け、劇作品『鷹の井戸』を執筆しまし
「ともにゃの部屋」は、世田谷パブリックシアターが、区内在住の障害当事者の方へのインタビューから立ち上げた演劇シリーズです。もともとは下馬地区の住民に向けた屋外のお祭りで上演していましたが、シアタートラムでの上演に合わせて創作しなおしたのが本作品です。中川陽子さんはデザイナーとして仕事に恋に邁進していた30代、脳に損傷を負いました。リハビリを経ながら、今の生活を獲得するまでの人生を描いています。
