ある日突然、虫に変身してしまった男の運命を通して人間同士の断絶を描いた20世紀文学の傑作を、フォーキンは緻密に計算した音と動き、映像を駆使した舞台空間に構成する。「Shizuoka春の芸術祭」で日本初演された作品をSPACの俳優が演じ、野外劇場を不気味に変容させる。
専用の劇場や稽古場を拠点として、俳優、舞台技術・制作スタッフが活動を行う日本で初めての公立文化事業集団。舞台芸術作品の創造・上演とともに、優れた舞台芸術の紹介や舞台芸術家の育成を目的とする。2007年に宮城聰が2代目芸術総監督に就任以来、より多彩な舞台芸術作品の創造や国際演劇祭の開催とともに、教育機関としての公共劇場のあり方を重視し、中高生鑑賞事業公演や人材育成、アウトリーチ活動などを展開。
目的のためなら手段を選ばない暴君と、権力の座に上りつめる新しい王。暴君を殺したのはいったい誰か───。シェイクスピアの歴史劇の面白さがぎっしり詰まったイングランド王リチャード二世の物語が、虚言・疫病・戦争に今なお翻弄され続ける現代を照らし出す。
『ボレロとヴァリエーション』は、1995年に初演された作品『ボレロ』を母胎としている。一組の男と女をつなぎ止め、あるいは突き放す時の流れに、ラヴェルの音楽「ボレロ」から聴きとった「いのちの絶えざるクレッシェンド」を畳みこんだ『ボレロ』。『ボレロとヴァリエーション』は、この『ボレロ』を踊るダンサーの実人生と『ボレロ』という舞台上の虚構の世界とが融合と離反を繰り返しながら、ゆるやかに進行していく。SP
“きたるべき世界はファンタジーからしか生まれない。”名作『モモ』につづく、ピエロの「ジョジョ」の物語。解散の危機にゆれるサーカス団に、巨大化学工場から“おいしい”話がもちかけられた。ただし、一座から少女エリを追い出すという条件付き…。現実を受け入れるか、大切なものを守るためにたたかうか――悩むピエロのジョジョや団員たち。けれど何も知らないエリはいつものようにお話をせがむ。ジョジョが語りはじめた恋と
シェイクスピアの『ヘンリー六世』から、シラーの『オルレアンの乙女』、バーナード・ショー『聖女ジョウン』、そして、ジャン・アヌイの『ひばり』まで、ジャンヌ・ダルクは、処刑される魔女、天使、悲劇のヒロイン、救国のひばり等々として様々に解釈されてきた。SPAC版『ジャンヌ・ダルク』は、アヌイの『ひばり』を原作としながら、チャッキリ節、真室川音頭、三階節、相馬盆唄などお馴染みの日本民謡に数々に乗って、野外