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(パンフレットより)こんなにも嘘めいてしまった世界のなかで書を捨てよ町へ出ようという響きについて表現という、それ自体が許されない時代が現在。訪れるかもしれない気配がするのだもしかしたら、なんにもないかもしれない外側へ。内側のいろいろを置き去りにして町に点在する作品という名の場所と時間にどうしてそこにひとは辿りつくのだろうかそしてなぜそこに立ち止まろうとするのか所詮、そこはだれかがつくった場所と時間
時折、激しい吹雪が吹き荒れる真冬の札幌。終電頃、「西線11条」の電停。東京から仕事で札幌に来たばかりの男が、道路の真ん中にある市電の停車場で、ススキノに向かうために電車を待っていると、そこに一人、また一人、電車を待つ人たちが現れる。現れた人たちは、そこで炊飯器にお米と水を入れ、ご飯を炊き始め、やがて炊飯器からは、仄かに白い湯気が立ち昇る。実在する市電の停車場「西線11条」で、本当にあったかもしれな