(パンフレットより)
こんなにも嘘めいてしまった世界のなかで
書を捨てよ町へ出ようという響きについて
表現という、それ自体が許されない時代が
現在。訪れるかもしれない気配がするのだ
もしかしたら、なんにもないかもしれない
外側へ。内側のいろいろを置き去りにして
町に点在する作品という名の場所と時間に
どうしてそこにひとは辿りつくのだろうか
そしてなぜそこに立ち止まろうとするのか
所詮、そこはだれかがつくった場所と時間
もともと自然とそこに在ったものではない
劇場には、ひとがつくったものだけが在る
しかしこうして、ひとは劇場へ足をはこぶ
内側にいてもいいのに、外側へ飛び出して
ここで、ひとびとはきょうも立ち止まった
こんなにも嘘めいてしまった世界のなかで
表現という、それ自体をどうしていこうか
表現を目のまえに。もしくは、そのなかで
なにを想って。劇場という内側から外側へ
また、でていくための時間をつくっている
書を捨てよ町へ出ようという響きについて
表現というものが成立するための、心強い
心強い言葉なのかもしれないと想いながら
2018.10.1 藤田貴大
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
有料オンデマンド配信。事前に会員登録が必要です。(月額1,078円、レンタルともにあり)
有料オンデマンド配信。事前に会員登録が必要です。(月額550円会員登録+レンタル1,500円~)
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