人魂(ひとだま)となって、極刑を生き延びた政治犯は、小さな箱に入れられて、独房の隅に忘れもののように置かれている。耳を澄ますと、今もときどき小言をつぶやく。物いう小箱に引き寄せられた人々が、崖っぷちを歩いている人間にとっての、生についてを物語る。
統合失調症で失踪する友人をめぐる、青春物語。乱反射する肉体と感情 出来事を組成する「やってやってしまったこと」「伝えたかったこと」「言ってしまったこと」の乖離を圧倒的リアリズムで描く、唯一の加藤拓也の世界。更新されていく口語とドラマ演劇
円佳(23歳 松本穂香)はやりたい事が見つからず、ひとまず海外に行く事を目標として、時給1000円でバイトシッターをしている。好きな人である誠也(24歳 藤原季節)の家に頻繁に寝泊まりしながら、生意気でシッターを奴隷扱いする男児・れん(5歳 平原テツ)の家から最近よく指名をもらっている。ある日、いつもの様にバイトへ向かうが、業務中に起きた災害によって円佳はれんと避難せざるを得なくなる。しかし避難所