不思議な一座が幻のように現われ、幻のように去っていく。何もない空間から始まり、何もない空間で終わる。しかしその舞台は見る人に強烈な印象を残した。女優がハムレットやホレイショーを演じ、ガートルードやオフィーリアを男優が演じた。しかしそれが何の違和感も残さず、よりくっきりと「ハムレット」の世界を映し出し、より明確にドラマの構造を浮き彫りにした。お芝居好きの人に是非観てほしいと思います。観たこともない「
(フライヤーより)恋などしないーと誓ってはみたものの、恋は非論理。とつぜん嵐のようにやってくる。
(フライヤーより)「夏の夜の夢」おれはキューピッドの矢が落ちた場所を目にとめておいた。それは西方の小さな花に落ち、純白であった花びらも恋の傷にいまは真紅に染まった。乙女たちはその花を「恋の三色スミレ」と呼んでいるそれを摘んでこい、いつか教えてやった花だ、その汁をしぼって眠るものの瞼に注いでおくと、男であろうと女であろうと、目が覚めて最初に見たものを夢中に恋してしまうのだ。「十二夜」あら、早まっては
(フライヤーより)ツロの若き領主ペリクリーズは、アンティオケの王女を妻に望み、その王アンタイオカスの課した謎を解くが、父と娘の秘密の関係をも見破ってしまう。身の危険を感じて故国に逃げ戻ると、国事を忠臣ヘリケーナスに託し、刺客の追手を逃れるために密かに出国する。途中、難破してたどり着いたペンタポリスで、その地の王サイモニディーズの娘セーザに慕われて結婚する。しかし、故郷からの手紙で急遽、身重の妻を伴
(フライヤーより)「リチャード三世」は、15~16世紀のロンドンを背景に、王権をめぐり極悪非道のかぎりをつくした暴君リチャード三世を中心とする権力闘争を描いた作品です。この、世紀を超えたロングセラーに、今回、シェイクスピア・シアターが取り組んでいます。それも、そこかしこに新しい試みをそえて…。その実際はぜひ劇場でご覧になり、ご自身の五感で堪能していただきたいのですが、せっかくのこの機会・・・少しだ
明治百五十年異聞
あの「太平洋食堂」が再々開店!あらすじ:明治末期の大逆事件を廻る演劇。日露戦争開戦の年、大石誠之助は洋食レストランを開いた。アメリカ帰りの誠之助は、ドクトルと呼ばれ町の人々に親しまれる。とびきりシニカルでへそ曲がりの誠之助は、時代に抗い、社会に声をあげ続け、人々の間に騒動を巻き起こす。同じころ、浄土真宗僧侶の高萩懸命は南無阿弥陀仏を唱えながら煩悶していた。「なぜ、人に上下があるのか?」熊野・新宮を
ええ、私はサイパンを離れずに、ずっと待っていましたよ、あなたを。 だってそうでしょう。日本は戦争に負けたことなんて、一度っきりもないんですから。米軍との激戦、日本軍の玉砕。タッポーチョ山のゲリラ戦、バンザイ・クリフでの集団自決。そして、東京大空襲・原爆投下の爆撃機は、ここから飛び立った──。太平洋の小さな島、サイパン・テニアンが日本領だった、二十九年間。その終止符を打ったはずの戦争を、私たちはほん