(フライヤーより)
「夏の夜の夢」
おれはキューピッドの矢が落ちた場所を
目にとめておいた。
それは西方の小さな花に落ち、
純白であった花びらも恋の傷に
いまは真紅に染まった。
乙女たちはその花を
「恋の三色スミレ」と呼んでいる
それを摘んでこい、
いつか教えてやった花だ、
その汁をしぼって
眠るものの瞼に注いでおくと、
男であろうと女であろうと、
目が覚めて
最初に見たものを夢中に
恋してしまうのだ。
「十二夜」
あら、早まってはいけないわ
主人と召使いをとりちがえたりして。
どうしたのかしら?
こんなにも早く
恋の病にとりつかれるものかしら?
どうやらあの青年の美しい姿が、
私の目のなかに、
いつのまにか、それと気づかぬうちに、
そっとしのびこんだらしい。
ま、なりゆきにまかせましょう。
「じゃじゃ馬ならし」
「きみのやさしさはあらゆる町々でほそやされ、
きみの貞淑さと美しさは人々の
語り草になっている。
しかも実物はうんと上だと聞いて、
こいつはぜひともくどきおとして
女房にしようという気になったのだ。」
「気になった!
私は気になりませんからどうぞお帰りください。
あなたが本になったことは一目見てすぐわかったわ
木製の家具と変わりがないから。」
「家具?」
「そう、せいぜい安物の椅子ってところね。」
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
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