(フライヤーより)
「リチャード三世」は、15~16世紀のロンドンを背景に、王権をめぐり極悪非道のかぎりをつくした暴君リチャード三世を中心とする権力闘争を描いた作品です。
この、世紀を超えたロングセラーに、今回、シェイクスピア・シアターが取り組んでいます。それも、そこかしこに新しい試みをそえて…。その実際はぜひ劇場でご覧になり、ご自身の五感で堪能していただきたいのですが、せっかくのこの機会・・・少しだけご紹介しておきましょう。
まず、演出。一言で言えば、英国版「チャンチャンバラバラ」 と演出家自身が例えているように、血で血を洗う権力闘争が、荒々しくダイナミックな活劇としてアレンジされています。劇画タッチと共通するおもしろさを感じる人も、きっと少なくないはずです。
そうした演出上の新しい試みは、青山円形劇場ならではの舞台空間と無関係ではありません。中央の円形舞台とそれを囲む客席の一部を使って組みあげた階段舞台が、未体験の迫力と臨場感をあおりたてることでしょう。もちろんこの階段舞台は、権力への階段を昇り降りするリチャード三世の姿を象徴する、格好のステージとなっています。
さらにもう一つ、スピーディーな会話があります。古典的な、いわゆる謳いあげる感じは意識して避けた、あくまでも現代的で日常的なセリフが耳に自然です。
従来のシェイクスピア劇とは一線を画する作品。
身構えて観るのではなく、リラックスして理屈抜きに楽しめる作品。そんな舞台づくりに、出演者・スタッフとも充分な手ごたえを感じています。'87年1月28日(水)から2月8日(日)にかけて、スケジュールはいかがですか。どうぞ早速のご調整を。そして、ぜひ、心ゆくまでお楽しみください。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
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