紅花の赤、そして恵みの雨、拾い屋の徳の「残酷な運命」人に化ける、ニセモノ、替え玉、どんでん返しを盛り込んだ井上戯曲の傑作。雨乞いに隠された庶民の思いと引き換えに、一人の男が仕組まれたものとは。東北羽前国平畠藩...そこは一面の紅花の里。瓜二つの紅花問屋の当主になりすまそうとした江戸の金物拾いの徳言葉、習慣を捨て、自ら証明するものを失っていく。騙したつもりが騙されて、替え玉になったつもりの徳を待ち受
時代が遺すは事実か真実か。吉良上野介、赤穂浪士、忠臣蔵...正義も悪も、世の中が変われば見方も変わる。歴史のからくりと人間のドラマが交錯する、現代(いま)をも鋭く切り取る物語が東憲司の手で再々演。討ち入り当日、密室でお犬様と炭焼き小屋に隠れていた吉良上野介はどんな思いで首をはねられるまでの二時間を過ごしたのか。吉良の目線から、その知的な興味を駆使して語られるスリリングな舞台運びは、忠臣蔵のもう一つ
主人公の「僕」と「彼」は、大の仲良しでいつも一緒に遊ぶ親友。しかし、些細な言葉のズレから二人は喧嘩をしてしまう。「彼」のことが気になって眠れない「僕」は、夢の中で、「ことのハの森」に迷い込む。そこは、「言葉が“葉っぱ”になっている森」。いつの間にか、「僕」が「彼」を気になっていた様に、「彼」も「僕」を気にして、「ことの葉の森」に迷い込んでいた。二人は、森の中で冒険をすることで、次第に「仲直りの言葉