石澤富子作『木蓮沼』は、詩的で多彩なイメージ、そして背後の沈黙の世界の深さが印象的な作品であり、その言葉、世界を活かすために、単に一本の戯曲を表面的に忠実に再現するというのではなく、斬新なコロス劇として上演された。それは三人の登場人物を四人で演じたり、あるいは一人で生きてみたりと、役を固定せず、役のアイデンティティに揺さぶりがかかる演出が行われ、その共同作業の中から作品世界の深部が鮮烈に浮かび上る
「現代能楽集」連作
能の本質的な構造を捉え返し、それを現代に開き、活かしていく「現代能楽集」シリーズの第一弾。主演女優関口綾子に一つの的を絞り、銕仙会能楽研修所の能舞台で上演された。スペインの現代作曲家フェデリーコ・モンポウの「沈黙の音楽」を中心的に用いて、能の老女物の秘曲『姨捨』の世界を身体的に深く読み込み、「現在」の言語素材、視座も加えながら新たな展開が試みられた。
「現代能楽集」連作
「現代能楽集」の連作の一つで、銕仙会能楽研修所の能舞台で上演。現代演劇、能、音響彫刻、コンピュータ音楽の共同作業で取り組まれた。テキストには、W・B・イエイツの詩劇『鷹の井戸』をもとにした、横道萬里雄の新作能『鷹姫』を基盤にしながらも、他の言語素材も加え、自由にコラージュする形で再構成されている。そして作業の共通の課題としては、〈即興性〉、〈偶然性〉、プロセスの問題に的が絞られ、能を現代に活かす試