今回、あやめ十八番が取り上げるのは『活動写真の世界』。無声映画全盛の時代、日本では活動弁士と呼ばれる映画説明者が大活躍していました。日本では……と書くのは、この活動弁士という仕事が話芸に秀でた日本固有の文化であった為です。そんな彼らも、トーキー映画の台頭と共に、徐々にその活躍の場を奪われていきました。本作『六英花 朽葉』では、大正・昭和を舞台に活躍した活動弁士たち全盛の夏と、衰退の秋を描きます。
おしゃべりだった兄の話をしようと思って、中学2年生の兄は世界の中心だったと思うんです。兄が高校1年生の時、兄の不幸の始まりでした。先に言っておくと、兄はこの先壊れます。あともう一つ言っておきますと、これは「演劇」の話ではなくて、まずこれは「兄」という「人間」の話で。壊れていく「兄」と、滅んだ「僕」と。あと兄に関わった、兄を愛したり憎んだりした「周りの人達」の。まぁ別に大した話じゃありません。
獣三作
正木円治は、“寝取られ”の性癖を持つ夫婦やカップルとSNSで出会い、公認で依頼者のパートナーとセックスをする活動をしている。ある日、円治は星野夫婦から、精子提供という名の“孕ませ”の依頼を受ける。悩む円治だったが、認知はしないことを約束し依頼を引き受ける。医療機関を介さずに精子提供を行う男と、第三者に寝取られる事で愛を確認し合う夫婦の、現在とこれまで。生きづらい世の中を描いた《人と人と人》の物語。