「友達」という関係性は何を示すのかを問いかけるいいへんじの新作公演。友達だと思える人がいないことがコンプレックスだった吉村は、北区周辺で路上ライブをしている売れないシンガーを追っかけることだけが生きがいだった。ある日、いつものように赤羽駅前で彼の歌を聴いていると、偶然通りすがった真壁という女性に出会う。「また会えるかも」とかろやかに去っていく彼女と、吉村は「友達になりたい」と思う。
ある日本の街に大きな爆弾が落とされました。数年後にはその土地の遺構を巡る、ダークツーリズムとしてのバスツアーが実施されるようになりました。さらにそれから時間は流れ、その土地の周辺にはいくつもの飲食店や土産物屋が出来てすっかり観光地となりました。悲劇は完全に風化したのでしょうか。ただ、当時のバスツアーに参加した一人は最近、安楽死を決めたそうです。
2018年に初演の「牛乳とハチミツ、ゆれて三日月を喰みる」のリクリエーションと、その後日談である『珈琲にシラップ、時を選ばない無常と風』の二本立て公演。とある地方都市にある家族経営のカフェ「ヒモスガラ」で繰り広げられる家族の少し不思議な話。
1917年にR.ゲーリングが執筆、1924年に築地小劇場が日本初演した『海戦』を全員女性キャストで上演。女性が語ることで生じるであろう違和感を手がかりの一つに、人と人が分断される「戦争」について改めて考える機会とした。あらすじ:戦艦の砲塔内部で海戦を待ち続ける7人の無名の水兵たち。いつ戦いが始まるかわからない不安と焦燥から、各々の葛藤が交錯する。彼らの精神状態が極限に近づく中、ついに戦闘が始まる。