その日、男はその地に向かっていた。あらゆる公共の交通機関が止まった。しかし、男はその地に行かなければならなかった・・・。
小山内家に嫁いだ桜子は、姑キヨの強烈な嫁いびりにより、ある場所から出られずに暮らしていた。そんな中、義理の姉、幸子が出戻ってきた。ようやくそこから出ることができた桜子だが・・・爆裂する津軽弁の響きを楽しんで頂くとともに、生々しく臭うような人間をぜひご覧下さい。さまざまな業の上に立つ三人の強い女”嫁・姑・小姑”の日常を切り取った、津軽弁エンターテイメントをお届けします。
1908年(明治41年)、日本鉄道がスコットランドに発注した比羅夫丸と田村丸が青函航路に就航。日本に初めて導入される最新鋭のタービン船である。日露戦争に勝った日本は世界の一等国の仲間入り。近代化はどんどん進んでゆく。比羅夫丸と田村丸は日本の物流を支える主役として脚光を浴び続けるが、その栄光は長く続かない。本作は運輸史、船舶史の観点で捉え直す明治、大正、昭和である。