とある集合住宅の一角、部屋いっぱいある体の大きな子供が座っている。父は流行病を患い熱に浮かされながら思い出を彷徨っている。生まれた時のこと、まだ小さな頃のこと、発達に遅れがあると聞かされた時のこと……。柴田智之が障がい児のデイサービス施設で働いてきた経験を元に描く、家族の物語。
老人ホームサンライズで働き始める介護職員A子。彼女が体験する福祉の現場は想像以上に過酷なものだっ た。しかし、そこで入居者のB二郎と出会う。仕事に翻弄されながらも福祉という繋がりの中で2人の間に 生まれる友愛、そして1人の人を看取るまでを芝居で表現。後半は、B二郎の歩んできた道のりをたどる30 分間の舞踏で構成する、演劇とダンスを使った、A子とB二郎、ふたりの絆の物語。
父さんと母さんが別々に暮らすことになった、大人の理由はわからない。キレイな月が出ている夜だった、とにかく、ここではないどこかへ行きたいと願うと雨が強く降った。流されてゆくぼくの部屋は舟に変わっていた。何があったのか忘れてしまう程時間が過ぎた頃、舟はひとりのピエロが暮らしている島にたどり着いた。彼の名前はマッテル、僕たちはともだちになった。ふたりで旅に出かけた。公益財団法人北海道文化財団20周年事業
今年も花見は無理だった。心地よい風に葉桜が揺れる、5月の北国の港町。感染症対策のために産婦人科の駐車場に拵えられた簡易待合所には二人の男。道路を挟んだ向かいにあるグラウンドからは少年野球の賑やかな声が聞こえてくる。陽射しがまぶしい午後。父親になりたかった男と、父親であることから逃げ出した男。新たな命の誕生を待つ二人のセレナーデ。
水生生物の採取観察を趣味にしている男3人。グループ名は「沼部」。偶然新種のイモリを発見してしまったことからテレビに出演したり地域のちょっとした人気者に。それから10年、40代になった彼らのもとに、当時を取材したいという男が現れる。仲間、恋、嫉妬、その男の取材で当時を振り返るうち、過去の事件が炙り出されてくる。10年前、何が起こり、何が起こらなかったのか。両生類はなぜ陸地を目指したのか…。
ナイロン100℃初期の名作ブラックコメディを札幌の実力派俳優たちにより上演。南北に分断されたとある国、ゼリグ・チャンスは動乱の「南」から、妻・サニーとともに10年ぶりに奇跡的に生還、「北」の国境近くに家を構える。ラジオで朗読するための詩を書きながら、細々と暮らすその家に、ある日、ゼリグのかつてのフィアンセ・シビルが偶然訪ねてくる。またある日、10年間の心労と「北」にも忍び寄る動乱のストレスで時々手
のと☆えれき二人芝居
西暦2040年。人類はアクトノイドと呼ばれる人造人間の発明に成功。しかし、そのプログラムに重大なバグが発見され、アクトノイドは即時回収、その姿は街から消える。 西暦2045年。ある晩起こった殺人事件。容疑者は舞台俳優、山田タロス。被害者は女優。公演終わり、山田の楽屋に一人の男が尋ねる。北海道警察サイバー犯罪対策課、牧内。牧内は山田に二つの疑いの持つ。一つは殺人事件の犯人として。もう一つは回収されず