霊安室前。ある男女が交通事故で死んだ。知らせを聞いて「境田」は病院に駆けつる。女は境田の妹、男は境田の会社の後輩「岬邦彦」、岬は妹の婚約者でもあった。ところが霊安室に岬の姉だという女が現れて遺体を確認し、「あれは弟ではない」と言う。不安と疑念が渦巻く中、やがて死んだ岬邦彦は名前も本籍もすべてデタラメだったことが判明、戸籍を買っていた事実が浮かびあがる。――この国において「私が私であることの証明」
椿組2021年夏花園神社野外劇
1964年の東京オリンピックに向け、急ピッチで作られていた新幹線!戦後日本の復興の証としての国家事業だった。ここ新丹那トンネル工事の現場では難題山積みとなっていた。そこに若い男がやって来て事件が!そして今、箱根駅伝のエピソードと時を越えて繫がっていく・・・。かの昔、熱海の初島に伝わる龍神伝説も!そんな幾つかの「物語」が時空を越えて閃光となり駆け抜けていく!!
椿組2023年春公演
「あんた、わたしの一生は小説よかもっと小説のごたるばい」 老女たちは薄羽かげろうのような私をはじきとばして、目のまえにずしりと坐りました。その姿には階級と民族と女とが、虹のようにひらいていると私には思えました。 『私は何かを一生懸命に探していたのです』・・・・森崎和江著「まっくら」より。 戦後、筑豊に生きる女炭坑夫ら百年の聲を聴き歩いた森崎和江。 彼女の出逢った男と女の物語・・・「負けられるか!」