財団、江本純子2014年制作のミニマルスタイルな会話劇。現在この世に生きている「わたし」は、この人生が2回目であることに気づく。「わたし」にとって1回目の人生で母、姉妹だった女たちは、生まれ変わった2回目の人生では「わたし」にとってそれぞれ祖母、伯母、母になっていた。1回目の人生の主・スミコの反省を成仏させようと、2回目の人生の主・さちこは、元恋人たちと出会い直し、家族との生き直し、を試みてゆく。
「ちょっと相談したいことがある」と言われて、あなたはうれしいですか?わたしはあまりうれしくありません。たとえその相談者に特別な好意を持っていたとしてもです。いや、うれしくないどころかむしろイヤです。なぜなら、およそ相談には明るい未来は待っていないから。暗い、深い、なんの音もない穴隙がそこにあるだけだから。 なので、わたしは死ぬまで相談を受けたくない派です。
1919年3月1日、ソウル(当時の呼び名は京城)。この街に住む日本人の一家、篠崎家の人々は、今日も平凡な日々を過ごしている。ただ、今日は少しだけ外が騒々しい。噂では、朝鮮人たちが、通りにあふれているという。篠崎家からも少しずつ朝鮮人の雇用者が姿を消していく。三・一独立運動を背景に応接間で唄い、笑い合う支配者日本人の「滑稽な孤独」を鮮明に表した渾身のシリーズ第二弾。
1939年11月、ソウル。日中戦争からすでに二年が経過し、日本国自体は、長期にわたる戦争状態という泥沼にのめり込んでいた。一方、30年代中盤から始まった好景気、軍需景気の影響を受け、満州への中継点としての役割を担う京城は、虚構の繁栄を謳歌する。国家総動員法の制定、欧州での世界大戦勃発、迫り来る軍靴の音に耳を澄ましながら、篠崎家の人々はつかの間の恋愛に身を焦がす。
舞台は近未来の美術館。ヨーロッパでは大きな戦争が起こり、そこから避難してきた絵画を前に、家族や恋人たちが、両親の世話や相続問題、進路や恋愛などについて断片的な会話を繰り返す。遠い戦争という大きな背景を前に、日々の生活を送る現代人の姿が克明に描写され、その中から現代社会の様々な問題点と危機があぶり出される。『東京ノート・インターナショナルバージョン』は、国際都市として変貌し、その変貌ゆえに苦悩も抱え