3.11への応答「光のない。」の続編として発表されたエルフリーデ・イェリネクの「エピローグ?(光のないⅡ)」をツアーパフォーマンス形式で上演。観客はFMラジオを首に下げ、原発事故後の福島で撮影された報道写真を手に、東京・新橋の12カ所のポイントを巡る。目的地に待つのは、写真に記録された「眺め」、カメラマンの「視線」を重現する装置。さらにラジオのダイヤルを指定された周波数に合わせると、戯曲を読み上げる少女の声が聞こえてくる。被害者/加害者の別さえなく、移り変わり続けるイェリネクならではの「わたし/わたしたち」の声は、サラリーマンの街・新橋に二重写しになった福島のイメージを前に、その遠さと近さ、距離を強く意識させる。(F/T12:Documentsより転載)
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
PortB(ぽるとびー)
2002年東京にて結成。高山明を中心にプロジェクトごとに形を変えて作られる創作ユニット。実際の都市を使ったインスタレーション、ツアー・パフォーマンス、社会実験的プロジェクト、言論イベント、観光ツアーなど、多岐にわたる活動を展開している。いずれの活動においても「演劇とは何か」という問いが根底にあり、演劇の可能性を拡張し、社会に接続する方法を追求している。
東京観光の代名詞的存在のはとバスを実際に使い、東京オリンピック(1964)時に活躍された伝説的はとバスガイドをゲストに迎え、現役のはとバスガイド、Port Bパフォーマーの「バスガイド」とともに東京を辿った。現在の東京の基礎は東京オリンピック(1964)で作られたという見立てのもと、東京オリンピックのレガシーを巡りながら、当時と現在の東京を「オリンピック=競争」という観点から比較検討し、東京という
舞台は、東京芸術劇場の隣にある池袋西口公園。24 時間、通行人など、多様な人たちのコミュニティが形成されるこの場所に、高山は個室ユニットを連ねたインスタレーションを立ち上げた。1時間500 円の料金を支払えば、24 時間の滞在も可能。個室内では高山らが行った、公園を行き交ったりそこで暮らしたりする人々のインタビュー映像が約370人分鑑賞できる。また観客は、オプションメニューとして用意されている「避
京都駅構内に仮設された個室ユニット内において京都駅前で行われたインタビュー映像を約300人分見ることができる。インタビューは全員に同じ質問を矢継ぎ早に投げかけ答えてもらう形式で行われた。京都駅は町への出入り口であると同時に境界であり、多数のインタビューによって都市と人との関わり、都市の内外の繋がりが浮き彫りになっていった。また、観客は京都駅構内のツアーに参加することもできた。ツアーは大阪・釜ヶ崎と
2017年の神奈川芸術劇場での初演、2019年のドイツ・フランクフルトのムーゾントゥルム劇場での上演を経て、「ワーグナー・プロジェクト」初の屋外での実施となった。会場となった「祝祭の広場」は、大分市と建築家・磯崎新氏が主導して誕生した日本初の公共広場である。初日に開催された「ワーグナー・クルー」公開オーデションを皮切りに、全5日間の「ヒップホップの学校」が広場に出現し、第一線で活躍するラッパー・ダ