1300年前の風景がいまだに残る国東半島の自然や神仏習合の文化 、半島での暮らしとそこに流れる時間を感じながら巡る一日の体験。食事も含めて、その体験がひとつの作品として提示されるのがアートツアーです。今回は演出家・飴屋法水と小説家・朝吹真理子をはじめとするメンバーが国東半島に滞在し、現地の子供たちと出会いながら、作品を製作。アーティストたちが選んだ国東半島の魅力的な場所を巡り、ひとりひとりの体験が物語として立ち上がります。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
オンデマンド配信。事前に会員登録が必要です。(レンタル500円)
1961年生まれ。高校在学中より唐十郎が主宰した状況劇場に参加、音響スタッフを担当。1984年、23歳にて演出家として独立、東京グランギニョルを結成。1990年代以降は現代美術に活動を移し、1995年、人工授精のプロジェクト『パブリックザーメン』でヴェネチア・ビエンナーレに参加。同年、動物商として「動物堂」を開店、動物の輸入と販売、飼育と繁殖に携わる。2005年、必要最低限の食物摂取のみで24日間箱に籠った『バ ング ント』展で活動再開。
2007年SPACでの『転校生』より演劇に復活。2009年より「フェスティバル/トーキョー」に4回連続で参加、『4,48サイコシス』『わたしのすがた』などを上演。2013年に福島県立いわき総合高校でのアトリエ公演として『ブルーシート』を発表、第58回岸田國士戯曲賞を受賞。『ブルーシート』は多くの高校演劇で上演され、フランスでも出版、リーディング公演などされる。また自身の家族3人による児童劇「教室」はドイツ・フランスでも上演された。
自身の作・演出に限らず、藤田貴大、本谷有希子、小説家の朝吹真理子、山下澄人などと演劇の共作。大友良英、山川冬樹、七尾旅人、青葉市子、テニスコーツ、小山田圭吾、渋谷慶一郎、MARKなど世代を超えた多数のミュージシャンとのコラボレーションも多い。2016年、茨城県北芸術祭での「何処からの手紙」を始めとして現代美術での発表も並行して続けている。
飴屋法水とロメオ・カステルッチによる、初のダブルビル上演。宮澤賢治のテキストから自由に発想し、それぞれ新作「じめん」(飴屋法水)、「わたくしという現象」(ロメオ・カステルッチ)を発表。二つの才能が宮澤賢治の世界を媒介に響きあう瞬間を、1000人もの観客が野外で同時に体験する。幼少のころから宮澤賢治の作品に親しんできた飴屋法水は、その作品世界にアクセスし、物質や生命をめぐる思索を繰り広げる。会場とな
2013年、大阪国際児童青少年アートフェスティバル2013 TACT/FESTにて、「子供の心が動く大人の作品」というコンセプトのもと“児童劇”として制作された演劇作品。飴屋法水本人と、パートナーであるコロスケ、そして娘のくるみの3名というリアルな家族によって演じられる本作は、ドキュメンタリーとフィクションの境界を行き来しながら、ある家族の朝ごはんの風景から始まり、やがて家は教室へと変貌する。生き
ひな壇状の空間。縄跳びやダンスなど女子高生たちが思い思いに遊び、そこに時報音、胎児の超音波画像、鳥のさえずりなどが重なっていく。平田オリザの戯曲「転校生」を、マルチクリエイター・飴屋法水は、「本物の女子高生を演者にする」リアルと、「時空を超越した空間で演じる」フィクションの両面から立ち上げた。女子高生の日常に風穴を開けるのは、転校生を名乗る初老の女性。他愛もないお喋りの合間に、社会の不平等と不条理
にしすがも創造舎の校庭に掘られた穴。そのほとりに立つことからこの作品は始まる。穴がもたらした不安定な感情を抱きつつ、観客は地図を片手に周辺の3つの不動産を巡る。今は住む人もいない場所。だがそこに配置されたオブジェやキリストの最期を描いた「十字架の道行き」から引用したテキストは、「誰か」の気配を強烈に感じさせる。どこかのお妾さんが住んだという「だいだいの家」では庭先に、2階建ての白い「半分の教会」で