マレビトの会の松田正隆がタルコフスキーの映画『ストーカー』等を下敷きに書いたSFメロドラマを、維新派·松本雄吉の演出で上演。舞台は、隕石の落下によってできた巨大な穴を抱える都市。段丘上に広がる街(舞台装置)のあちらこちらに、穴の周囲に設定された立ち入り禁止区域「ゾーン」の案内人とその家族、 死者と再会するためにそこを訪れる人々の人間模様が配置される。ゾーンで過ごす死者との時間は幻にすぎないのか、穴の中ではその間何が起こっているのか? ごく自然なように見えて思わせぶりで、濃厚な停滞感を感じさせる人々の会話に、巨大な穴と死者たちの存在がむしろ鮮やかに映り込む。(F/T13:Documentsより転載)
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
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