「準備はいいか、野郎ども!」第4回公演『最遊記』をパワーアップし再上演。沙悟浄役に第3回公演以来の出演となる郷本直也を配し、キャスティングを一新。また、「清一色編」が新たに加わり内容も一層の厚みを増した。三蔵、悟空、悟浄、八戒、それぞれの持つ重い過去が、妖怪たちが荒れ狂う桃源郷を舞台に絡み合う。戦いに明け暮れる日々。次々と現れる強大な敵。いつ果てるとも知れぬ永い旅路の果てに三蔵一行の見るものは?
小説家を志して、芸大に進学した千夏と、縫製工場で働く母・昭子。決して裕福ではないが、笑いの絶えない母娘の二人暮らし。その裏には、小さなわだかまりが横たわっているが、そこに触れないことが暗黙の了解となっている。あるとき、昭子の会社に中途採用でやってきた木村からの提案で、サーカスを観に行く約束が交わされた。ひょんなことから、千夏の幼馴染で、密かに思いを寄せる光輝と、昭子の同僚で、千夏が憧れる女性、透子
結婚してから毎日、昨晩食べた料理をネットにアップし続けている、ある夫婦の晩御飯の記録『ラストナイトレシピ』。結婚2年。仲の良かった夫婦だったが、妻が亡き人となった。妻の両親は残された夫に対し、娘の死を「申し訳ない」と言い、やたらと明るく振舞いながら今まで以上に夫に関わりをもとうとする。夫にはそれが疎ましい。しかし、大事な妻を生んでくれた親である。生前、妻が日々更新していた「ラストナイトレシピ」とい
マネっこ、かけっこ、キャッチボール、人さらいゲームに影絵遊び。奥行き30mの舞台にたちあがる街の記憶や風景の中を、役者はあっちへこっちへ駆けめぐる。緻密な照明と白一色の遠近法の舞台で、遊び=play を通して、さまざまな“まち”の姿を浮かびあがらせた、都市論をテーマにした作品。
【Story】<路地>を、管理されることのない空間、不合理なるものの迷宮、過去への奥行き、そしてアジアへの通路として捉え、俳優たちが路地を構成し、路地を歩行します。M1 「標本迷路」 M2 「地図」 M3 「可笑シテタマラン」 M4 「海図」 M5 「おかえり」 M6 「鍍金工」 M7 「金魚」 M8 「地球は回る、眼が回る」 M9 「木製機械」 M10 「かか・とこ」【Note
《彼》と旅をする20世紀三部作#2
【Story】「呼吸機械 《彼》と旅をする20世紀三部作 #2」 舞台近景画像物語りの舞台は第二次世界大戦中の東欧。戦災孤児の少年カイ、アベル、イサク、そして少女オルガの4人は戦火の中をあてどなく彷徨います。地雷を怖れ、野草を食み、時には盗みを働きながらひたすら彼らは歩き続けます。そして彼らの前に現れるは旅芸人の一座…。【Note】伊吹山を背にして、客席から舞台奥の湖に向かって傾斜していく<びわ
ママンが死んだ。ママンは死ぬ前わたしに、父親の名前と、父親がいるという島の名前を教えてくれた。かならず会いに行って、そしてこう言うんだ、わたしたちのものを残らずぜんぶ寄こせって、わたしたちがあたりまえにもらってなくちゃいけないものをなにひとつもらっちゃいないんだからって、と言った。しばらくしてママンは仏頂面のまま死んだ。誰かがお悔やみを言いに来るかと思っていそいで部屋をきれいにして待っていたけど誰
サエボーグ初の演劇的インスタレーションとして披露されたのは、新作含め12匹のキモかわいい家畜のキャラクターたちが楽しく暮らす巨大なリビングルームだ。観客たちは、まるでドールハウスのように設えられた遊戯的空間に招き入れられ、この奇妙な動物たちと好きなだけ時間を過ごすことができる。ラテックス製の人工の皮膜と生身の皮膚が密着し、生殖と屠殺、排泄と摂取、調教と服従が拮抗しながら共存する家畜の世界で、観客は
火曜日のシュウイチ
実家は貧乏。成績も下位。クラスでの身分まで最下級層。不良からはパシらされ、暗黒の中学時代を送った少年Aがいた。持ちうるものは、手先の器用さと優しさだけだった。そして15年。少年Aは30才にして小さな寿司屋の主となり上がった。ある大雨の日。ならず者となり果てた同級生が現れて、Aに出前を頼んだ。届けに行った文化住宅。そこには──。これは優しい、ウザいほど優しい男の恋話。角ひろみが故郷尼崎のヤンキー中学
千葉雅子×土田英生舞台製作事業
地方を拠点にした暴力団『日和組』。三次団体ながら一時期は羽振りがよかったが、上部組織からの無理な要求と組長の死亡をきっかけに廃業した。その組長には四人の子供がいた。親代わりとして生きてきた長女、かつての上部組織に恨みを持ち続ける長男、裏の世界で生きる次女、そして幼い頃に養子に出され、幸せに育った三女。あるとき、三女の奈津実が幸せこの上ない笑顔で実家にやってくる。菅原玄という男を伴って……。共に劇作
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「日本の劇」戯曲賞2010最優秀賞を受賞した今井一隆の作品。北関東のとある小さな町。ガラス屋に婿養子に入った兄(信一)のもとへ、弟(信二)が金の無心に訪れる。信二は過去に法事の金を使い込んだことがあり、信一にそのことを蒸し返されると、用事を言い出せぬまま帰って行く。そしてそのまま行方知れずになった。信二が父から継いだ工場が倒産し、兄弟たちの実家は人手に渡ろうとしていた。
舞台は小さな港町の元スナック。数年前に店をたたみ今はもう夜の色香のかけらもなく、家庭が侵食してきている。長年ここを営んできた富澤家の母、三江が急逝して3日がたった。その母がいなくなった今、元「スナックみつ江」とお互いにへち(そっぽ)をむいた家族三人が残された。そこへ訪ねてきた「理恵」。理恵が語る「三江」は、家族の知る母とはまるで違っていた前代未聞のマイナー方言「幡多弁」で、家族という「がわ」だけが
クリスマスを祝うことを拒否する人々が集うペンションで、イブの夜に繰り広げられる、哀しくもおかしい人間模様。軽快な会話と笑いで見せる物語。
マレビトの会の松田正隆がタルコフスキーの映画『ストーカー』等を下敷きに書いたSFメロドラマを、維新派·松本雄吉の演出で上演。舞台は、隕石の落下によってできた巨大な穴を抱える都市。段丘上に広がる街(舞台装置)のあちらこちらに、穴の周囲に設定された立ち入り禁止区域「ゾーン」の案内人とその家族、 死者と再会するためにそこを訪れる人々の人間模様が配置される。ゾーンで過ごす死者との時間は幻にすぎないのか、穴
「えっと、一人とばして翔君なの」写真の説明をした人はそう言った。ああ、とばされたのは私。いつも忘れられる……だからなるべく派手な服を着ている。育った環境に強烈に縛られている愚かな家族。鎖から解き放たれていく様子を愉快に描く劇団代表作。
建物の中に国境線がひかれた─ 何も変わらないはずだったのにね。 ある時ヤツがふざけて言った。『この線から出たらダメってことにしよう』私はわざと線から手を出してやった。ヤツは笑いながらその手を押し返した。そんな戯れを繰り返した。そしてそれからどれくらい経ったっけ?遊びたくなったので、私は笑いながら手を差し出した、すると……ヤツは突然殴り掛かって来た。一切の笑顔を消して。 見えない線。線とは何かを巡る
古民家を再生してつくられたスペース。そこでは楽し気な会話が交わされているが、彼らには共通に抱える事情があった。ウイルス性だと言われているが、詳細は解明されていない。突然死するこの病気は現在、日本とアジアの一部で患者が確認されている。発症した人に対しては隔離政策がおこなれわる。この場所もそのひとつだ。最近、三回目の移住があり、数人が新しく移送されてきた。家族や恋人と別れ絶望する彼らを、前からいた人々
山奥の小さな会社で問題が起きた。解決を迫られる総務部部長。けれど誰が悪いのかは分からない。それぞれに言い分があって誰もが正しい。真っ向から意見は対立し会社内の人間関係は最悪だ。ああ、このままでは会社の先行きすら危ない……。社会の分断が進む中、少しでも光を見られるような作品を創ることを目標にMONOの原点であり得意な会話劇にこだわり、会議室を舞台に何が正しいのかを巡って間抜けで真面目な会話の応酬を描