日中戦争が泥沼化しつつあり、英米との関係も急速に悪化していた昭和16年春。あるベテラン夫婦漫才師が、中国大陸への慰問の旅に出る。この時の日本では、笑いという戦争とは対極のものを生業とする芸人でさえ戦争の歯車に巻き込まれていた。芸人を続けるには、戦争に協力するしか方法がなかったのだ。夫婦は10歳を過ぎたばかりの一人娘を内地に残して日中戦争の前線近くまで旅を続ける。同行の芸人仲間や、笑いに飢えた前線の将兵との触れ合いは、厳しさの中にも張り合いがある。夫婦は慰問に夢中になることで、再び芸人としての喜びを再認識する。そんな旅も終わりに近付いたある日、慰問団は遂に戦闘に巻き込まれる。そして・・・
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
演劇・舞踊・音楽など既成のジャンルにとらわれず、観る側と、創る側がお互い夢を持てる舞台を創作し、届けたい。心を伝えられる企画・舞台創造・プロデュースを目指しています。平成6年6月、現代創作劇を創造活動の柱に演劇制作を開始。以降、旬の作家、俳優を起用し毎年2,3本の創作劇を中心にプロデュース公演を企画制作。全国ツアーを展開している。平成9年、次代を背負う若き演劇人発掘のため、オーディション選抜の「新人公演」を制作。また平成12年からは海外公演も積極的に取組み、文化交流を進めている。
現在、演劇界で活躍中の劇作家と個性派俳優とのバトルは予想通りの舞台を誕生させた。劇作家が仕掛けたストーリー、装置、小道具、そして一人の紡ぎ出す台詞に二重、三重に隠された複数の声。たった一人の俳優が、これらに対峙し舞台空間を埋めていく作業は、まさに芝居の醍醐味そのものであった。今回の企画は、ひとり芝居に挑戦する若き劇作家の登場である。早稲田大学在学中に「劇団笑うバラ」を主宰し、現在は他劇団の役者を集
物語は、一九九七年に風船で海外渡航を決行し行方不明になった「風船おじさん」が題材。芝居はこの夢物語のような出来事を現実の犯罪をモチーフに数々の話題作を創ってきた山崎哲が、現代社会や今日の家庭の問題と絡めながらあぶり出してゆくもので、個性的で巧みな演技力を持つ蟹江がどう演じるか興味深い。
難病を患っていた少女・そら。少女の看護師でもあり個人教師でもある時枝。二人は列車に乗って行くあてのない旅に出た。その旅はひどく破天荒であり、幻想的であり、可笑しく、切なく、明るいものであり、暗闇と光の射す方を行き来する旅路であった。そして、二人は一体どこにむかうのか。
ラジオのスタジオ。一九五〇年代のB級SF映画「地球最終放送」(原題「たたかう女」)をノンストップトークする女性アナウンサー。たばこを取りにスタジオの外に出ようとするが、スタジオがオンボロで扉が開かない。ふと不安になり、片っ端から放送を聞いてみるが、他に放送している局はみつからない。知り合いに電話をかけまくるが通じない。「地球最終放送」の内容がほんとうになったのだろうか......。