妊婦、産婦人科医、学者、不妊治療に苦しむ妻、子どもを持たない夫婦……等々、多彩な人たち約70人にインタビュー取材を行い、その膨大な証言を再構成して舞台化するドキュメンタリー・シアターの手法で「今、日本で子どもを産むとはどういうことか」、その実像に迫る。――「なぜ不妊治療に関する法律が日本にはないのか」「なぜ少子化に歯止めが掛からないのか」。出産・子育てにまつわる今の日本社会が抱える問題について、また、その問題解決のためのさまざまな視点からの意見を提示する、多くの生々しい現場の声に基づいたオリジナルの新作ドキュメンタリー・シアター。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
一跡二跳を2008年に解散後、2009年に新たな演劇集団としてワンツーワークスを結成。2010年4月旗揚げ公演以降、年に2~3本の主催公演のほか地方公演多数。古城十忍のオリジナル戯曲の他、翻訳劇、ドキュメンタリー・シアターの製作を柱とし、ジャーナリスティックな社会派演劇を上演する。
殺人事件の犯人は双子で、主犯格の弟「幸司」は死刑、補助役の兄「憲司」は無期懲役がそれぞれ確定する。刑務官たちは死刑囚となった幸司と日々接するうちに、「死刑の在り方」について自らに問い直していく。というのも死刑囚となった幸司は驚くほどの真人間へと更正していくのだが、無期懲役の憲司は自分の罪に真摯に向き合っているとは言い難かったからである。刑務官たちの心は揺れる。死刑は廃止すべきと考える者、刑が確定し
人の死を看取る日々を送る看護師の「楠美」はある日、自身が肺癌の末期であることを知る。直ちに入院を強いられるが、そう長くない余命であることを悟った楠美は家に帰ることを願う。その思いを汲んで楠美の母は「末期患者の在宅医療」を専門とする医師「渡良瀬」に娘の治療を託すのだが、渡良瀬は「医療に笑いを」を信条に、コスプレ姿で往診に来たりする「変わり者」だった。楠美の家族戸惑うが、やがて患者を第一に思う渡良瀬の
会社でうだつのあがらないトキオは、レイコに思いを寄せながら、自分が彼女にふさわしい男だと思えない。ある日、永遠の時を手に入れられるという「神になる本」を目にしたトキオは、輪廻転生を信じ、意を決してビルから飛び降りる。こうして生死を超えて、愛する人を追い続けるトキオの旅が始まる。だが、それは「オイディプス」「ロミオとジュリエット」、はたまた「サザエさん」といった、すべて「あらかじめ用意された物語」を
ある地方都市。「北原むつ美」が、訪ねてきた「串間ひさ子」に思い出の写真を見せつつ、夫の自慢話をしている。むつ美の夫は福島第一原発の元作業員で、既に亡くなっている。明日はその四十九日にあたる。訪ねてきたひさ子の夫は、今なお原発で廃炉に向けて過酷な仕事に従事する現役の作業員。そこにむつ美の義理の妹「泊川小春」が金を無心しに来る。やがて3人の女たちの話から、原発の廃炉作業に従事する作業員たちの理不尽な日