800年もの昔、空を真黒に染めてシベリアからやってきたつぐみの群れが、日本の津々浦々を飛翔した。その一羽がお寺の池のほとりに落とした椎の木の種は、やがて巨大な椎の木に成長し、今年も繰り返される命の死闘を見つめている。トノサマ蛙のブンナは、新しい世界を求めて椎の木のてっぺんに登る。しかしそこは壮絶な“生きるための戦い”を繰り広げる修羅場で会った。蛙の天敵の彼らもまた、弱肉強食の自然界で懸命に生きていたのだ―。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
劇団俳優座に在籍していた10名の若手俳優たちが日本の現実を反映させた創作劇の上演を強く願い、1954年劇団青年座を創立しました。現在劇団員と研究生をあわせ約200名が所属。創作劇の他、海外現代戯曲、過去の秀作等、幅広いレパートリーを有しますが、創立からの基本理念は変わることはありません。今後も日本の創作劇上演を柱にした公演活動を続けることによって、日本演劇の民主的発展に寄与し、舞台芸術を通して日本文化の向上をはかることを目的として活動します。
天草出身の巻多賀次郎は、上海を皮切りに大陸を渡り歩いた末、シンガポールに根をおろし、娼館「二十六番館」の主人となった。時は日露戦争前夜、多賀次郎と「からゆきさん」たちは、強い愛国心のもと、遠く離れた祖国と家族のために仕送りに精を出している。ついに日本は日露戦争に勝利した。しかし、時代は、彼らの思いとは反対の方向に流れ出す―。
劇団青年座創立四拾五周年記念公演No.3
笛の音の様に鋭くなまめかしい風が吹く大菩薩峠頂上。一休みする老巡礼を一刀のもとに切り捨てた机龍之助は、武州御岳山ふもと沢井村の「甲源一刀流沢井道場」の跡取りであった。折しも4年に一度の御岳山奉納試合に龍之介と立合うことになった宇津木文之丞の妻お浜は、夫に勝ちを譲るよう懇願するが、もとより応ずるはずもなく龍之助はお浜を犯す。この事実を知る文之丞。遺恨試合となった結果、故郷を追われる龍之助とお浜は江戸
ファイル4577、通称ナビ・スマイル。本名年齢国籍不詳、性別男性。身長175センチ、測定誤差±2。体重64キロ、測定誤差±1。職業殺し屋。19××年のある夏の日。彼のもとに謎の依頼人がやって来る。そこからこのストーリーは始まる。宗教と奇跡。そして核とSDI。与えられた時間は、ONE WEEK。
米・北東部ニューイングランド地方、ゴールデンポイントと呼ばれる湖があった。朝夕照らし出される湖面はまさに《黄金》に輝き、湖畔の閑静な別荘は都会の喧騒から離れ一夏を過ごす人々のやすらぎの場であった。間もなく80歳のノーマンは厳格で頑固ものでユーモアと教養を持ち合わせていたが、老いと忍び寄る<その時>への影におびえ苛立っていた。妻エセルは対照的に変わらぬ快活さを見せているが最近の夫が気がかりだ。夫婦の