赤穂の家臣不破数右衛門は、薩摩源五兵衛と名を変え、義士の仲間に加わろうと金百両を工面していた。が、芸者小万の妖しさに惹かれ、夜毎逢瀬を重ねていた。だが、実は小万には夫三五郎があり、晴れて夫婦になるには三五郎の父に金百両を渡さねばならなかった。二人は大芝居を打って源五兵衛から金を騙し取り、夫婦であることを告げる。武士を捨て、小万との愛に生きようとしていた源五兵衛の絶望と怒り。しかしそこには驚くべき真実が隠されていた―。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
劇団俳優座に在籍していた10名の若手俳優たちが日本の現実を反映させた創作劇の上演を強く願い、1954年劇団青年座を創立しました。現在劇団員と研究生をあわせ約200名が所属。創作劇の他、海外現代戯曲、過去の秀作等、幅広いレパートリーを有しますが、創立からの基本理念は変わることはありません。今後も日本の創作劇上演を柱にした公演活動を続けることによって、日本演劇の民主的発展に寄与し、舞台芸術を通して日本文化の向上をはかることを目的として活動します。
劇団青年座創立四拾周年記念公演:1
平将門をめぐる権謀術数に明け暮れた男達の汗と血潮と、そこにからみつく女達の激情に翻弄された人々の愛のものがたり。京都に壮大な平安文化を繰り展げてきた公家社会にしのびよる新しい勢力、武力をもってその存在を中央に認識されようとする時代に将門は生きた。いつの時代にも大きな転換期に登場する英雄にまつわるものがたりは哀しい。しかし、人々は、地にへばりついて生きながら、彼等のものがたりを語り継いできた。それは
8月15日、長崎平和公園の午後 人ひとり通らない砂利の道を 太陽がやいていた40年前の夏閃光、爆音、海鳴り、そして、あの雲 あのあと 美しい色と形の雲を見た者は生きのこったそしてー真夏の昼下がり 原爆を投下したパイロット アメリカの英雄 その人が長崎に出現した 心を病む男…彼はいったい何を求め この地にやってきたのだろうか―「ザ・パイロット」はことしの夏の物語であるこの舞台で起きるすべての事件は私
昭和17年1月8日亜也子は北浦家へ嫁いだ。祝言の日、姑・操との葛藤は火花が散り、夫・清三郎には召集令状がまい込む。姑夫婦、小姑、疎開してきた親子までを亜也子一人で養って行かなければならなくなった。土地のクセ者とわたりあい、あらゆる手段で生き抜いていく。銃後もまた戦場である。終戦をむかえても亜也子の戦いは益々困難をきわめていく。そして日はめぐり、大晦日。ささやかな餅つきの場に、戦死したはずの清三郎が
同じ高校の演劇部員だった同級生のハルコとフミヨは、やがて女優と脚本家として違う道を歩き始めることになった。それぞれの道には、それぞれの出会いと別れがあり、ある時は離れ、ある時は近づき、そして交差しながら人生の時を刻んでいく。1970年から5年ごとに描かれた7つの短篇が、ネックレスの珠のようにつながって一篇の物語を編む。2013年初演。その後全国を巡演し、2022年までの公演数は195回を数える。※