とある町の郊外。春とはいえまだ寒い夜。プスイギンとシルワーの二人の若者は、酒場で知り合った娘たちと飲み明かそうとこの村までやってきたのだが、娘たちに放り出されて一夜の宿を求めて歩き回るはめに。最終列車は出てしまい、寒さに耐えかねた二人はサラファーノフ家の扉をたたく。
サラファーノフ家はサラファーノフと娘のニーナ、息子のワーセンカの三人家族。他に泊めてくれる家はなく、プスイギンは思いついた出まかせの嘘をつく、「実は、自分はサラファーノフとさる女性の間に生まれた”息子”であったのだ」と……。
サラファーノフは、街のフィルハーモニーのクラリネット奏者で、生涯をかけた一曲の名作の作曲にとりかかっている-しかし、これらのことは彼の唯一の心の支え、つまりは寂しい嘘だったのだ。彼の仕事は、今では葬列やダンスの席で演奏することであり、彼の作品もまた、決して第一ページ目から先には進まない幻の名曲だったのである。
そんなサラファーノフに頼れる新しい息子が飛び込んできたのだ。はじめは疑うサラファーノフであったが、遂にはその出まかせの嘘を信じこんでしまう。それに、プスイギンはサラファーノフにどことなく似ているのだ。
やがて、物語は予想されない思わぬ方向へ進展していく……
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
劇団創立から85年を超える老舗劇団。日本の創作劇、和物、海外戯曲と幅広く上演。
ニューヨーク郊外にある豪華な邸宅。今夜は市長補佐官チャールズ・ブロック氏と妻マイラの結婚10周年記念パーティだ。招かれた客はいずれも上流階級のそうそうたるメンバーばかり。最初に到着したのは弁護士夫妻。ところが当のブロック夫妻はもちろん、メイドもコックも誰もいない。邸宅中を探してみると二階の寝室でブロック氏が耳たぶを撃ち抜いて血だらけになっていた。真相がわかるまでは友の異変を隠しておこうと大奮闘の弁
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<あらすじ>60歳を過ぎたウィリー・ローマンはかつてのような生彩を欠き、輝かしい未来が広がっ ているかに見えた息子たちも30を過ぎて自立できず、妻のリンダは献身的に夫を支える が、家庭の中に希望の光は見出せそうにもない。夢を叶えるにふさわしい仕事こそセール スマンであると信じてきたウィリーに、時代の変化は容赦なく彼を置き去りにしようとし ている。信念に固執するウィリーが家族のため、そして何より自分