昭和42年、九州地方の農村、炭鉱事故で正気を失った豊市は、母と妻に献身的に支えられながら暮らしていたが、「六十八代和泉式部」を名乗る尼僧に魅かれて巡礼団のあとを追った…。
「和泉式部伝説」を材に描く、人間の業と生への希求、そして終わりなき漂泊。
厳しい現実に立ち向かう人々の姿と「伝説」が響き合い、私たちの生きる今を鋭く照射する。
絶望から人々を救うのは、愛か、信仰か…。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
事前予約フォームより予約の上、ご来館ください。
1994年に全国初めての県立劇団として創立。劇場<ピッコロシアター>に附属するプロ劇団<ピッコロ劇団>は全国的にもめずらしく、劇場と劇団が一体となって、国内外における質の高い公演活動はもちろん、学校教育や地域づくりに貢献するための演劇指導・普及活動にも積極的に取り組んでいます。劇団代表=岩松了(劇作家・演出家・俳優)
おなじみのピーターパンのお話である。とはいっても、ピーターパンもすっかり大人しくなって、相変わらず夜中に子ども部屋に忍び込み、子どもたちをさらってネバーランドへ連れ出してくれるものの、ちっとも冒険をさせてくれない。でも、そこはネバーランド、冒険は向こうからやってきて、ピーターパンも子どもたちも、海賊たちと闘うことになるのだが…。 誰もが知っているピーターパンとはちょっと違う、歌って踊って、大いに笑
社会とつながろうとして失敗した家族は海の上で暮らしていた。漂流するその家族たちにゆっくりとガレキが、家のガレキが、近づいてくる。ガレキは漂流家族たちの間をぬって海辺へと流れてゆく。家族たちは新しい社会とのつながりを求めてそのガレキを追うが…。
シェイクスピアの「ヴェニスの商人」を下敷きにした鄭義信による日本未発表の音楽劇。2014年4月に韓国のソウル獎忠洞(チャンチュンドン)の国立劇場タロルム劇場で初演。元宝塚歌劇団月組男役トップスターの剣幸と、劇団☆新感線の右近健一を客演に迎え、ピッコロ劇団と関西で活躍する俳優陣が結集しておくる、歌って踊って笑って泣ける関西風シェイクスピア音楽劇。
戦後の日本演劇界を代表する、劇作家・宮本研の円熟期を飾る傑作戯曲。貧しさゆえに、遠く海をへだてた南洋に身を堕としていった女性たちの群像を、日露戦争を背景に描く。時代の波に翻弄され、悲惨な運命にもてあそばれながらも、逞しく生きた女たち-。