極限まで酷使され、研ぎ澄まされた身体感覚を武器に、ダンス界に衝撃を与え続ける振付家・ダンサー、黒田育世。衝動に突き動かされるような圧倒的な強さで観客に迫る黒田の代表作が、大幅なリ・クリエーションを経て遂に再演される。追い求めるのは「時間が止まる感覚」。
ダンサーたちの切実な身体にむきだしの「今」が宿る。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
黒田育世振付による作品創造を中心とし、2002年4月設立。02年2月の「ドゥ・セーヌ・サン・ドニ(旧バニョレ)国際振付賞での《ナショナル協議員賞》受賞をきっかけにカンパニーとしての活動を本格化した。敢えてバレエのテクニックを基礎に持ったカンパニーとして、多様化するコンテンポラリーダンスの表現のなかで「踊ること」にこだわった活動を行っている。
日本のコンテンポラリーダンス界を牽引する振付家の黒田育世が、Noism05から振付委嘱され2005年に初演した話題作。
傍観を許さない、目と心を奪う強靭なダンサーとダンス・BATIK=黒田育世新作。舞台。大きく円形に張り出し。後方横幅一杯にトタンの壁。構成。ワイヤで浮遊、穏やかに口笛を吹く育チャンは、母に呼ばれ喜び。しかし、他の子に依る母をみて、激しく嘆き、痙攣。母のスカート下で治まる。が安息も一時。母の心はしばし離れ、子は孤独な自分に出会うこととなる。愛されつつ疎まれる、母を感じながら失い続けていく、痛切な幼児体