「わたしは城の桜姫、世界で一番美しい。雪と競うても花と競うても負けはせぬ。」
そんな姫が京の都から訪れた三条の宮のもとに嫁ぐことになった。思い立ったら矢も盾も、人の言葉に耳貸さず、冬のさなかのお興し入れ、鬼住むという鬼きり峠、雪降りしきる峠道……
「雪崩だぁーっ」
共の者たちの悲鳴の中、姫は雪にのまれて……
夢うつつに男の背で聞く言葉
「人と思えば人となり、鬼と思えば鬼となる。すべてはお前の心次第だな」
気がつくと山中のあばら家、老夫婦が心づくしのもてなしにと囲炉裏に湯を沸かし、料理のために包丁を研ぐ。研ぐ包丁のすり音に、ぐさりぐさりと息詰まる……。
「あっ二人は鬼、私は殺される、逃げなければ」
隙をみて逃げようとした足元に、ギラリと光る包丁、ずしりと重い手応え。
「どうせ逃げても追ってくる。ならばこの包丁で」
姫の顔にメラメラと火影がゆれた。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
1972年創立、現劇団代表山根宏章を中心として、テレビ出演(フジTV・テレビ朝日・
NHK教育など)を中心に活動を開始。‘76年児童演劇劇団協議会に加盟、「鬼ひめ哀
話」で邦楽生演奏と競演し平成19年度文化庁芸術祭に参加する。現在では厚生労
働省社会保障審議会推薦の「14ひきのひっこしだ」、「じごくのそうベえ」、「ばけものづ
かい」、「耳なし芳一」ほか、小規模から大規模な作品を全国各地で年間平均240公
演以上を実施。劇団代表山根宏章は公益財団法人日本児童演青少年演劇協会、日
本舞台芸術家組合、文化庁長官表彰を受けた。
黒ねこのルドルフは、ひょんな事で乗ったトラックで、遠い遠い町、東京へ。ひとりぼっちになったルドルフは、ボスねこのイッパイアッテナに出会った。イッパイアッテナは文字が書けて、色んなことを知っていて、しかも人間との付き合いがうまい、とてもすごい野良ねこ。ルドルフはイッパイアッテナから、野良ねことしての生き方や、文字の読み書き、知ることの大切さを学び成長していく。そしていつしか友情が芽生え……。ルドルフ
森に仲の良い「のねずみ」の家族が住んでいました。おじいちゃん、おばあちゃん、おとうさん、おかあさんと10ぴきの兄弟たち、合わせて14ひきの大家族。そんな「のねずみ」の住んでいる森へ、とうとう開発の手が伸びてきました。しかたなく、追われるように森の奥へと新たな住み家を探し求め、移動していく野ねずみたち。がけを登り、坂を下り、川を渡って、滝のところでひとやすみ。シダやクマザサをくぐって進んでいると物音