元アマチュア無線部の三人が、9年ぶりに母校で再会する。
薄暗い校舎、今はもう廃部になってしまった無線部の部室の片隅で、
古ぼけた無線機から懐かしい声が聞こえてくる。
それは7年前に失踪したきりになっていたもう一人の部員、リョウタの声だった――
ともだちがいなくなった。
いなくなったきり、みつからなかった。
ともだちの不在をおきざりにしたまま、僕らはおとなになった。
でも最近おもう。
ほんとうにおきざりにされたのは、僕らだったのかもしれない。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
高羽彩が脚本・演出・主宰をつとめるプロデュースユニット。
2005年、早稲田大学にて旗揚げし、大学内外より高い評価を得る。
日常に普遍的に存在しているちいさな絶望や、どんな壮絶な状況でも変わることのない人間の些細なあり方、生き方を笑い飛ばしながらすくい取る、リリカルでクールな作風が特徴。