音の体験やフィールドワークを起点に、独自の音空間を構築してきた荒木優光。シアターピースやインスタレーション作品を発表するほか、記録にまつわる作業集団ARCHIVES PAY、音楽グループNEW MANUKEのメンバーとしても活動する。今回、新作のモチーフとして荒木が興味を持ったのが「カスタムオーディオカー」。理想のサウンドを追求し、音響システムとビジュアルに粋を尽くしたあのクルマたちだ。夕闇に染まる比叡山の駐車場を舞台に、カスタムオーディオカーによるコンサートが開かれる。
都市の中では、実力をフルに発揮できないオーディオカーたちも、山の中なら遠慮は無用。荒木が“郊外の駐車場”から発想を飛躍させ、アンダーグラウンド・カルチャーを取り込みながら作曲する組曲を、比叡の谷間に存分に鳴り響かせていく。京の街を離れ、非日常の空間へと次第に近づいていく、道中のドライブも合わせて楽しんでほしい。
※以上、2021年時点の情報
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
1981年山形県生まれ。京都拠点。アーティスト、サウンドデザイナー。音の体験やフィールドワークを起点として独自の音場空間を構築する。近年は視聴覚空間の多様性を踏まえ、新たなフェーズとしての「再生」を軸として実践と考察を進める。近作に、個展「わたしとゾンビ」 (京都市京セラ美術館 ザ・トライアングル、2020)など。2013年初演の『パブリックアドレス-音場』が2021年、クンステン・フェスティバル・デザールに招聘された。
またサウンドデザイナーとしてアーティストとのコラボレーションも多く、記録にまつわる作業集団ARCHIVES PAY、音楽グループNEW MANUKE のメンバーとしても活動する。