玉木理沙(奥山美代子)は、姉・乃理子(山像かおり)の葬儀から帰ってきた。何かと口うるさかった姉がいなくなって、ささやかな解放感に浸る理沙だったが、やはり寂しさは募るばかり。折からの満月に、以前姉から教わった呪文で願いをかけたところ、何と素っ頓狂な姿で乃理子が現れた。ここから、始まる姉妹の丁々発止。。妹を欺してばかりいた姉の言葉へ不信、その死の意外な真相、子ども時代の思い出と恨み辛みがコメディタッチで進む。しかし姉を憎みつつも愛し依存していた理沙が思いの丈をぶちまけ、大人になって生きていくことを選択していく。生きることの輝きが眩しい理沙のウエディングドレス姿で幕を閉じる。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
西瓜糖は役者、作家の山像かおり(筆名 秋之桜子)と奥山美代子、制作 渋井千佳子の演劇プロデュース集団である。
2012年の旗揚げは劇場の記録になる動員をし、その後コロナ禍以前は複数回2000席以上を完全完売している。作品の特徴は日本語の美しさにこだわりながら人間の営みが社会と如何に絡まってきたかを描き、人間のひたむきさと恐ろしさを活写する。また様々なジャンルの演劇人が化学反応を起こし、お互いの芸術活動を高めあっている。