スペインの港町カディス。ある夜、彗星の光が町を覆った。数日後、夏の陽光に市場も民衆も活気づくある日、一人の男が女を従えて町に現れ、戒厳令が敷かれる。
COVID-19禍、ベストセラーとなったカミュの『ペスト』。彼がその小説をものした翌年、自ら戯曲として発表したのが『戒厳令』だ。ナチスに対抗するレジスタンスの「寓話」とも称される作品。
「ペスト」と名乗る支配者に挑む青年医師ディエゴ。果たして……。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
1944年2月に青山杉作、千田是也、東野英治郎、小沢栄太郎、東山千栄子、岸輝子ら10名の同人をもって出発した劇団俳優座は、常に高い理想をかかげ演劇の正道を目指し活動を続け、創立80周年に向けてさらに前進を続けます。
とある県立高校。サッカー部の舞原健はモンスターペアレントの母のことを担任・浦川麻由に相談していた。そんな折、スクールカウンセラーの藤堂智絵が着任し、麻由と意気投合。その藤堂の相談室に、いの一番に訪れたサッカー部マネージャー奥野早織は「浦川先生と舞原くんが怪しい」と衝撃の告白をする。教育現場を舞台に、教師と生徒の関係、さらには生徒と親と学校の距離感等を丁寧に紡ぎ、届けるのは――「慈愛」。
調停人ジャック・マニングの招集により住民会議に集まったのは展示会施工会社で働くグレン、その母と幼馴染の友人。そして、経営者はじめ上司、同僚ら9人。社内で暴力沙汰を起こし解雇されたグレンをめぐって、面と向かって論議が交わされ、明るみになる真実…。日本ではまだ馴染みのない「修復的司法」を世に問うオーストラリアの作品。
名作「どん底」で知られるゴーリキーの作品。旧体制を死にものぐるいで護ろうとする者と、新時代に生きようとする者との闘争を今日的視点で描きます。
これは夢遊の物語。彼女らは日本の中国侵略政策の犠牲となり、かつて”満州”と呼ばれた地に送り込まれ、敗戦後四十七年を捨て置かれた激動昭和の落し子である。その残像の中に去来する一人一人の影と呟き合い、罵り合う慚愧と悔恨の綴れ織である。日本および日本人を深くえぐり、人間の暗部をあらわにして喜劇的側面を描出するに得意な藤田傳の劇団俳優座に初めての書き下ろし作品。